中学校野球部!絶対に強くなるヒント集

中学野球や部活動の経営をしている方々のお役に立てるように、野球技術のみではなく、組織づくりのことなど、野球部の経営に役立つ情報をどんどん発信していきます。また、野球小僧を育てたい親御さんに役立つ情報も掲載していきます。宮川理論の公認指導員です。

教員採用試験合格後にすべきこと!しっかりと準備をして慌ただしい毎日に備えよう!

新卒でそのまま教員に!?

圧倒的な経験不足は入念な準備で補おう!

教員採用試験合格後から4月までにしておいた方が良いことを丁寧にまとめました!! 

 

※こちらの記事は2016年に執筆したものになります。ところどころ注釈をつけていますが、ご注意ください。

 

教員の勤務の実態はこちらを参考に! 

www.taguchizu.net

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〇まずこれからの流れを簡単に

私は東京都のことしか知りませんがおそらくどこも同じような流れになると思います。

全体での説明会はありますが、その後2月くらいまでは何の連絡もありません。

まれに「途中で辞めてしまった人の代わりに1月から働かないか?」というような連絡が来ることがありますが、基本は特に連絡はありません。

まず初めに現職教員のカードが回り、各学校間での異動が確定します。

新規採用者はその後に配置が決まりますので3月半ばくらいまで連絡が無いこともあります。

2月の中旬から3月中旬くらいまでに各自治体から電話連絡があり、面接を受けることになります。

ここで連絡をいただいた際に、希望ではない自治体だった場合、断ることもできますが、その場合、面接が終了した後に、それでもまだ人員が足りないというときに連絡がくることになるので、遅い場合は4月に入ってからの採用になることもあります。

最悪、そのまま連絡がなく、その年は権利を持ちながらも採用に至らず、再び採用試験を受けなくてはいけないことになるので、基本的には断らないほうがいいと思います。

また、自治体ごとの面接も意外にしっかりとした採用面接である場合が多く、私の場合は一緒に面接を受けた7人中2人しか市での採用に至りませんでした。

ここも試験のつもりで自治体の教育目標や特色などをしっかりと調べた上で臨まないと痛い目に合います。

※ここ数年は教員不足なので傾向が変わっていると思います。

ちなみに特別支援を希望していなくても特別支援学校、学級に配置されることもままあります。

「特別支援学校、学級を希望していないのに…」と思う方でも3年で異動できますし、良い経験になったとおっしゃる方も多いので前向きに検討してみましょう。

東京都の場合、特別支援学級のから通常級へ校内で異動することも可能です。

 

〇教員採用試験合格後にすべきこと!

1、ボランティアで現場を経験させてもらおう!

講師経験者であればすでに授業まで行っていることとなりますが、新卒ですぐに採用になった場合、教育実習しか現場での経験が無いということになります。

たった1校で3週間ほど実習を行っただけでは圧倒的に経験不足ですが、それでもあなたは一人前の教員として扱われ、一人で授業を行わなくてはいけません。

当然それではうまくいくはずはありませんから、支援ボランティアを募集している学校を探し(大学の掲示板などでけっこう簡単に見つかります)、現場を体験させてもらいましょう。

学校によって数学の授業の学習支援だったり、特別な支援が必要な生徒の支援だったりと違いますが、現場の実際を学ぶことができると思います。

もちろん自分が希望する校種を選んで応募すべきですが、教科に関してはあまり気にしなくても構いません(というか社会の学習支援なんて募集はほとんどありませんし)。

 

実際の現場で先生たちがどう生徒と向き合っているか、どう指導しているかを学び、日々記録に残していきましょう。

現場の先生たちの指導の良いところを学ぶことも大事ですが、先生たちも失敗することもあります。

そういったことも記録し、反面教師にしていくことも大切です。

 

また、もし空いた時間があれば、自分の教科の授業を見学させてもらいましょう。

その際には勝手に見学に行くのは失礼です。

必ず事前に見学をしても良いか確認をしておきましょう。

勝手に行くと授業者が困ることがあります(ADHDの子がいるクラスの授業で、見学者が来たことで集中できなくなるなど)。

可能であれば、部活動に参加させてもらうことも良い経験になると思います。

 

どの場面でもそうですが、ボランティアで現場に入る場合、あなたは先生という扱いになります。

大学生気分で、生徒のお兄ちゃんお姉ちゃんのような関係になって、なんとなく生徒を理解した気になっても学級経営や授業に活かすことは難しいです。

教員の目線で生徒と接するように努力しましょう。

ただし、何か生徒間で問題が起こったときなどは自分ひとりで対応することは絶対にNGです。

必ず誰か正規の教員を呼んで指導してもらうようにしてください。

一日の終わりには授業を見せていただいた先生などにしっかりとお礼をし、何か疑問や質問があれば聞いておきましょう。

 

このボランティアを一生懸命に取り組むと、校長先生の目にとまり、その自治体で声がかかるというケースもあります。

ということは、その逆もあり得ますから中途半端な気持ちでは行かないでくださいね。 

 

2、教材研究をしよう!

前項でもお話ししましたが、あなたは圧倒的に経験不足です。

それでも現場に入ったら一人前として扱われ、いきなり一人で授業を行うことになります。

場合によっては担任かもしれないし、部活動や生徒会などをもたなくてはいけないかもしれません。

そのような現状を知った上で教員を目指したことと思いますが、当然仕事量は多く、分からないことだらけで、十分に授業の準備まで手が回らなくなっていくことが考えられます。

ある程度経験を積んだ先生でさえそんな状況ですから、あなたならなおさらです。

 

そこで、今のうちから授業の準備を始めましょう。

もちろん、まだ採用される自治体も決まっていませんから教科書もどの教科書か分かりませんし、担当学年も分かりませんよね。

そうなると細かい授業案まで作ることは難しいですが、ひとまず近隣の自治体で多く採用している教科書を購入しましょう。

自治体の教育委員会のホームページで採用している教科書の記載があるはずです。

また、教科書は特定の本屋にしか置いてありません。

それもインターネットで調べると分かりますので、調べて購入してください。

学年所属は分からなくても、時間は十分にありますので、1年生の教科書から順番に目を通していきましょう。

 

一通り教科書に目を通していくと、自分の知識が不足しているところが見えてくると思います。

私は社会科ですが、地理が専門なのでどうしても歴史では改めて調べないと分からないところが出てきます。

自分が「教える」前提で教科書を見ると、教科書に書かれていることの何倍もの知識が必要になります。

不足していると感じた部分には付箋を貼るなどしておき、どんどん自分の知識が不足しているところをあぶり出していきましょう。

そして、一通り目を通したらその足りない知識を文献をあたったり、インターネットで調べるなどして知識を補っていきます。

当然ですが、ノートなどに必ずメモを残しておくようにしてください。

 

このときにお金はかかってしまいますが、教材研究向けの書籍を購入するのも良いと思います。

また、生徒が購入する教科書ガイドには重要なところが分かりやすく書かれていますから、こちらに目を通して重点を把握しておくこともおすすめです。 

中学教科書ガイド 帝国書院版 社会科 歴史

中学教科書ガイド 帝国書院版 社会科 歴史

 

↑このような教科書ガイドは本来生徒が利用するものですが、参考になります。

 

勤務が始まったら、年度当初に「年間指導計画」の提出を求められます。

前年度の終わりに作成してくれているはずですが、そうでない場合もありますし、あなたの考えている計画と大きく異なることだってあります。

一から作ることはないと思いますが、どちらにせよ作成しなくてはいけませんから、本当に大体で構いませんから一年間の授業の計画を立ててみてください。

ノートにメモ書きのような形で構いませんので、どの単元に何時間をかけて、どのように進めていくのか青写真を描いていきます。

中学校社会であれば1・2年時105時間、3年次140時間などと決まっています。

その時間ぴったりで終わるのではなく、多少(5時間程度)余裕をもった計画を立ててみましょう。

このときに教科書会社のホームページが参考になります。

帝国書院

社会科だと帝国書院のホームページは分かりやすいです。

ぜひ目を通してみてください。

 

完成度は求めていませんので、ざーっと三学年分の年間指導計画もどきを作るだけでも何となく授業の流れが見えてきます。

大変な作業に思えるかもしれませんがここまでやっておくと勤務が始まってからの負担をかなり減らすことができます。

可能であれば、学習指導要領にも合わせて目を通しておきたいところです。

このように、本来は勤務が始まってから行うであろう授業の準備をこの時期からはじめておくことで、教材研究の時間を大きく減らすことができます。

少しでもやっておくと違うのでがんばってみてくださいね。 

 

3、「対話的・主体的で深い学び」に備えよう!

次回の指導要領の改正の目玉に対話的・主体的で深い学び(当初はアクティブ・ラーニングという呼称でした)があります。

教員採用試験に合格したあなたは、このことをすでにご存じかもしれません。

中学校では2021年度から学習指導要領が改訂されますが、ではそれまでに「対話的・主体的で深い学び」は行わなくていいのかと言えばそうではありません。

2021年度には完全実施できる形で、取り組んでいく必要があります。

「対話的・主体的で深い学び」とは何かと考えたときに、いろいろな人がいろいろなことを述べていますが、こういう場合はまず文科省の文献にあたってみる必要があります。

文科省のホームページに「教育課程企画特別部会 論点整理 」という文書がありますからこちらに目を通してみましょう。

次期改訂が目指す育成すべき資質・能力を育むためには、学びの量とと もに、質や深まりが重要であり、子供たちが「どのように学ぶか」についても光を当てる必要があるとの認識のもと、「課題の発見・解決に向けた主体的・協働的な学び(いわゆる「アクティブ・ラーニング」)」について、これまでの議論等も踏まえつつ検討を重ねてきた。

「教育課程企画特別部会 論点整理 」P17より

というようにここでは「課題の発見・解決に向けた主体的・協同的な学び」のことをアクティブ・ラーニングと定義しています。

来年度から採用されるあなたはこのアクティブ・ラーニング=「対話的・主体的で深い学び」を行うことが課されているわけです。

 

では、どのような授業をすべきか?

これに関しては正解というものが用意されているわけではありません。

一応、アクティブ・ラーニング=「対話的・主体的で深い学び」の定義は以下のようになっています。

見てみましょう。

教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れ た教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、 教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査 学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク 等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。

「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ」用語集より

というように、いくつかの授業などが有効な方法として紹介されてはいますが、「それらを必ず行うこと」とは書かれていませんし、もっと注目しなければいけないのは「学修者の能動的な学修への参加を取り入れ た教授・学習法の総称」というところが「対話的・主体的で深い学び」だということです。

「発見学習、問題解決学習、体験学習、調査 学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク 等」=「対話的・主体的で深い学び」とは書かれていませんよね。

つまり、これらはあくまでも有効な方法の一つであって

「グループ・ワークを取り入れている」=「対話的・主体的で深い学び」とはなりません。

あくまでも子どもたちが能動的に、主体的に学ぶことが「対話的・主体的で深い学び」ということになります。

 

では現場はどうなっているか?

では、実際に現場に入ったときに、あなたは分からないことだらけで、いろいろなことを先輩方に聞くことになると思います。

当然、「対話的・主体的で深い学び」についても教えを請うことと思います。

しかし、残念ながらあまり多くを期待してはいけないかもしれません。

実際の現場では「対話的・主体的で深い学び」という言葉ばかりが先行し、「なぜ今対話的・主体的で深い学びなのか?」「どう授業を変えていかなければいけないのか」というところまで迫ることができていないのが現状と言わざるを得ません。

あなたにとってがっかりなことに、6割くらいの教員は

「今までと同じでいいんだよ。」と答えると思います。

残りの3割は「グループ・ワークやディベートを取り入れよう」と研究授業のような授業を年に数回取り組もうとするかもしれません。

そして、1割は「対話的・主体的で深い学び?いつから始まるの?」と話にすらならないかもしれない。

管理職もいまいちよく分かっていないことも考えられます。

校内研修で「対話的・主体的で深い学び」に取り組むかもしれません。

しかし、その内容も日々に根付くものではなく、お祭りのように、一日だけ華やかにジグソー学習などを行うかもしれない。

結局は定着しない意味のない「対話的・主体的で深い学び」になるわけです。

今から本気で「対話的・主体的で深い学び」に取り組もうとしている人は本当に残念なことにほんの一部かもしれないのです。

それでもあなたは、いや新規採用になったあなたこそ「対話的・主体的で深い学び」に取り組まなければいけません。

※さすがに執筆から8年経ち、そこまで無知な人はほとんどいなくなったと思います。

 

現場で授業をすることはできませんから、まずは知識で武装するところから始めるしかありません。

まず文科省のホームページhttp://www.mext.go.jp/)をあたりましょう。

こちらには次回の学習指導要領の改訂に向けての資料があります。

「対話的・主体的で深い学び」を導入する背景をまずは知ることです。

その後は「対話的・主体的で深い学び」に関連した本を読み漁りましょう。

安い物ではありませんが、先行投資だと思ってできるだけ多くの書籍をあたって欲しいと思います。

おすすめを以下にあげておきます。

すぐわかる! できる! アクティブ・ラーニング

すぐわかる! できる! アクティブ・ラーニング

 

ご覧のように全て西川純氏の書籍になってしまいました。

申し訳ないことに圧倒的に西川氏の本が分かりやすいです。

アクティブ・ラーニングが今なぜ必要なのかというところを分かりやすく解説してくださっているので、ひとまず西川氏の本に目を通して見ることをおすすめします。

教科ごとの書籍も出ていますが、とりあえずは上記の入門本を読んでみてはいかがでしょうか?

2021年に完全実施されたときにあなたは2年目。

仕事も慣れ、学校の中心を担うようになっている時期です。

「対話的・主体的で深い学び」の取り組みの中心になるつもりで準備をして欲しいと思います。 

 

4、進路指導ができるように高校調べをしておこう!

今までお話ししたように授業をしっかりとできないといけないのですが、それ以外にも生活指導、進路指導といったこともしっかりとできなくては教員ではありません。

生活指導に関しては、教育実習で指導教員の先生から学んだこともあるでしょうが、進路指導に関してはほとんど何の知識もないというのが現状ではないでしょうか?

 

よく勘違いしている方も多いのですが、進路指導とは中学校であれば高校入学について指導すること、高校であれば大学入学について指導することではありません。

国立教育政策研究所による定義では「進路指導は、児童生徒が自己の生き方を考え、将来の進路を主体的に選択していく能力や態度を育成するための指導・援助です」とあります。

確かに過去には高校入学について指導をすることを進路指導と捉えていたこともありますが、それはいわゆる「出口指導」であって、生徒の将来を考えた指導とはほど遠いものとなります。

進路指導は総合的な学習の時間を中心に学校生活のあらゆる場面で、生徒が自分のことを見つめなおし、将来のことについて真剣に考え、自身の生き方を選択する力をつける指導になります。 

 

しかし、高校についての知識、高校入試についての知識が要らないのかと言われると、やはり必要になります。

進路指導は1年次から始まります。

まずは自分について知るところから始まります。

自分史をつくる取り組みをする学校もありますね。

そしていろんな職業について調べたり、実際に職場体験を行ったりして職業についての知識も深め、自分に合った職業を考えていきます。

最終的には自身のライフプランを定め、なりたい職業を決定していくことになるのですが、その職業になるためにはどんな高校・大学等に進学したら良いのか考えなくてはいけません。

たとえば弁護士になりたいのに工業高校を選択することは得策とは言えませんよね。

進路指導は出口指導であってはいけないのですが、このように教員には上級学校の知識は必ず必要なものになるのです。

 

そこで、高校についての知識を身につけて欲しいと思います。

各都道府県でこういった書籍が必ず販売されています。  

首都圏高校受験案内2019年度用

首都圏高校受験案内2019年度用

 

これらは生徒向けではあるものの、学校現場でも利用されており、高校調べにはとても参考になるものになります。

あなたが中学生のときは、偏差値で学校を見てしまっていたフシもあるかもしれませんが、偏差値はあくまでも参考程度にし、各学校の特色をよく見るようにしてください。

繰り返し述べますが「あなたは模試で偏差値55だったから、この高校がいいんじゃない?」などという指導は最悪の進路指導です。

その子の特性、将来の夢などを踏まえたアドバイスができなくてはいけません。

進路を最終的に決定するのは生徒とその保護者ですが、アドバイスはやはり必要です。

その際にやはり最低限の高校の知識は必要となるのです。

 

たとえば、東京都であれば、中学校で基礎基本を十分に身につけることができなかったけれども、高校で基礎基本から学び直し、大学進学も考えたいという生徒のために「エンカレッジスクール」というタイプの都立高校もあります。

また、中学校では人間関係でつまづいたり、生活リズムを崩してしまったりして不登校になってしまったけれども、高校でもう一度がんばりたいという子向けに「チャレンジスクール」というタイプの都立高校もあります。

そういった名前はついていなくとも、高校それぞれに特色がありますから、完璧にとは言わないまでも少しは高校の知識を身につけておくようにしましょう。

特に私のように秋田県育ちなのに東京都で採用になった場合など、ほとんど高校の知識が無い人は入念に勉強しましょう。

 

進路指導は3年次だけ行うものではありません。

1年次から計画的に行っていくものですから、どの学年に配置されようと進路指導ができるように、今から少しずつ準備をしていきましょう。

 

以上、かなり長くなってしまいましたが、教員採用試験合格後にすべきことでした。

教員は大変な仕事ですが、やりがいのある仕事です。

子どもたちの成長を後押しできるように、しっかりと準備をして4月からの勤務に臨みましょう。

 

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