生徒の目が輝く!
自作の紙芝居を用いて授業を行った実践の紹介です!
〇田口式楽しい社会科の授業とは?
私が野球の先生ではなく、実は社会科の教員であることはあまり知られていません。
こんなタイトルのブログを書いていますが、実は授業とか学級経営の方が大切だと思っている教員です(当たり前か?)。
私の普段の授業スタイルは上記の記事を読んでいただければ分かるのですが、「コの字型」+「4人組グループ」の「学びの共同体」スタイルを基本として行っています。
↑佐藤学氏の「学びの共同体」はこちらをご覧ください。
普段は教科書と資料集を用いてプリント学習が基本になります。
プラスして視聴覚教材としてパワーポイントとプロジェクターを利用して授業を行っていますが、すごく残念なことに、勤務校のお金が無く、プロジェクターの数が少ないために毎時間使用することができません。
そのため、ときどき視聴覚教材として、自作の物を利用することがあります。
やってみると分かるのですが、自作の物の方が生徒は喜びます。
〇紙芝居を用いた授業!
自作の視聴覚教材の例として「紙芝居」があります。
この紙芝居はまだ私が初任で、一斉授業を行っていた際に、少しでも多くの生徒に興味を持ってもらいたい思いから始めたものになります。
では、さっそくどんな物か紹介したいと思います。
「聖徳太子の政治改革」です!
はい、ということで「聖徳太子の政治改革」でした。
もちろん生徒の様子を伺いながら、時には問いかけたりしつつ進めていきます。
この紙芝居の取り組みを始めたころは一斉授業に刺激を与えるような意味あいで始めており、この後の授業の流れとしては再び黒板を用いての授業という形で、今考えるとそんなに有効に使えていませんが、生徒は本当に楽しそうに食い入るように見ていました。
〇紙芝居をアクティブ・ラーニングにつなげる。
私は先に述べたように、その後「学びの共同体」の取り組みを始め、今で言うとアクティブ・ラーニングの視点を取り入れた授業を行うようになっていきました。
そうした中、この紙芝居ももっと有効に使う方法も考えました。
紙芝居を見た後に再び教員が説明する授業はとてもつまらないと今は思います。
そこで、紙芝居を見た後に4人組のグループを作り、「紙芝居の内容」を小学生に教えるという設定で作文させることにしました。
グループ学習に生徒たちは慣れていますので、分からないときは教科書を調べたり、互いに聞き合ったりしてまとめていきます。
その後、完成したらグループ内で作文を紹介し合い、一番上手にまとめることができた子をグループ内で選びます。
全グループ代表が決まったら私がくじ引きをして3グループ程度に発表してもらい、最後に私が補足とまとめをして終わりという流れになります。
こうすることで、黒板を使うよりもより主体的に生徒が取り組む授業ができあがります。
〇紙芝居を用いた授業のメリットとデメリット
まあデメリットは言うまでもないのですが、
とにかく授業準備に時間がかかることです。
紙芝居を描くだけで私は5時間くらいかかってしまいます。
私は長期休業中に教材研究をできるだけ終わらせておく派なので、紙芝居のせいで寝れないみたいなことはありませんが、ただでさえ忙しい教員が紙芝居を頻繁に描くことは容易なことではありません。
しかし、それでも時々紙芝居を用いた授業を私が行うのは、それだけの準備の時間に見合うだけの効果があるからです。
この効果とは「社会科を好きにする」という効果です。
私は社会科の授業は生徒の興味や関心をいかに引き出すかがポイントだと思っています。
なぜなら、極端な話、社会科は先生がいなくとも、好きにさえなれば家庭学習で何とかなるからです。
紙芝居を用いた授業は見た目にもインパクトがあり、それがきっかけで社会科を好きになるという子も多いです。
軽い自慢なのですが、2年生対象の学力調査で「社会科が好き」という項目で「好き」だという解答が市の平均3割だったのに対し、私が受け持った学年は4回続けて「好き」が9割超えでした。
直近の調査では240名中1名を除き「好き」になっていました。
それ以外にも校内授業アンケートではもう何年も「分かりやすい」と「好き」の項目が95%以上を達成しています。
当然、私自身の感覚としては毎回絶対に分かりやすい授業はできていないのですが、ときどきこういった丁寧に準備をした授業を行うことで、生徒も教員が分かりやすく工夫してくれていることを感じ取ります。
その結果教員と生徒の間に信頼関係が生まれ、楽しい雰囲気で授業ができているのだと私は思います。
もちろん、それ以外の工夫もたくさんありますが、それはまた別の機会に。
ちなみにこちらは田沼意次の政治の紙芝居の1シーン。
こちらはムラからクニへの1シーン。
こんな感じで現在では地理や公民を合わせると20くらいの紙芝居があります。
必ずしも紙芝居をまねる必要はありませんが、自分なりに生徒の興味や関心を引く取り組みを行ってみてはいかがでしょうか?
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