肩や肘へのアイシング!
本当に有効なのでしょうか?
危険性も指摘されています!
〇『野球医学』の教科書、馬見塚先生のご意見
こういったアイシング、野球界では当たり前のように用いられていますね。
プロ野球の中継などを見ていても登板後の投手がベンチでアイシングをしている姿が見られますね。
しかし、このアイシングをするという行為が有効であるとした「医学的根拠」が無いということはご存じでしょうか?
さっそくなのですが『野球医学』の教科書で有名な馬見塚先生のご意見を引用させていただきたいと思います。
何度も言うように、アイシングは投球障害を予防するという報告を見たことはありません。ですから、いまのところ専門家の立場から『投球障害予防のためにアイシングをしたほうが良い』とは言えません。
一方、アイシングがリカバリに有効だといわれていますが、この研究では局所のアイシングはリカバリには有効ではないと報告してされています。
アイシングの有効性について、疑問がわきますね。野球医学の教科書および高校球児なら知っておきたい野球医学では、アイシングをお勧めしていません。
https://www.facebook.com/yakyuigaku/ フェイスブックページ『野球医学』の教科書さんの12月30日タイムラインより許可を得て引用
このお話の中の「この研究」というのは、以下の研究のことです。
ちょっと私には何が書かれているのかさっぱりなのですが、『野球医学』の教科書の馬見塚先生は以前からアイシングの有効性に疑問を呈していらっしゃいました。
※心理的な安心感を得られる可能性はあるとはおっしゃっています。
馬見塚先生の著作、『野球医学』の教科書では、以下の点を指摘しています。
①痛みの感覚が鈍り、病院への受診が遅れるケースがある。
②野球肘の発見が遅れる可能性が高まる。
※『野球医学』の教科書P58を要約させていただきました。
私も大学時代に登板後はアイシングをしていました。
確かにアイシングをすると痛みが和らいで楽になる気がするんですよね。
ですが、この「痛みが和らぐ気がする」というのが曲者で、実際は麻痺しているだけのようなんです。
結果として本来であれば気づくはずの故障に気がつくのが遅れてしまうというわけです。
そう、アイシングは肩肘に良いというのはもはや神話なのです。
〇シンスプリントを患ったときに医者から言われたこと。
以前、シンスプリントの記事をまとめました。
その中でもお話ししたのですが、私も以前シンスプリントに悩まされた一人です。
お医者さんのところへ行ったときに
「シンスプリントの症状がひどく、患部が熱をもつようだったらアイシングをしなさい」と言われました。
しかし、その話には続きがあって
「ただし、それで痛みが和らいでも麻痺しているだけだから練習をしていいということではありません。」と付け足されました。
要するに、お医者さんが言いたかったことは、冷やすことで痛みは麻痺するが、リカバリー効果は無いということなんです。
私はその忠告を守りませんでした。
副キャプテンとしての責任感や、レギュラーを明け渡したくないという思いから、アイシングをしてから練習をしてしまっていました。
その結果、シンスプリントは慢性化し、大学時代にまで尾を引くことになってしまいました。
シンスプリントに関してもそうですが、当然肩や肘も同じことだと思うのです。
特に小学生~高校生のまだまだ先のある選手たちに無理をさせることはあってはいけないと思います。
「アイシングをすれば痛みは和らぐかもしれませんが、治ったわけではない」
このことをしっかりと指導者や保護者が理解し、大きな故障に繋げないようにしていきましょう。
私は『野球医学』の教科書を読ませていただいてから選手にアイシングはさせていませんが、やはり保護者の方や別の指導者から「なぜアイシングをさせないのか?」と聞かれることがあります。
まだまだアイシング神話は広く信じられていると思います。
古い常識にとらわれずに選手を守っていけたらいいですね。
〇野球部通信で選手、保護者に伝えた内容!
私は野球部通信を毎週発行しています。
この野球部通信でアイシングについて触れた記事を転載しますので、参考になればと思います。
保護者の方にも理解していただくことが重要ではないかと思います。
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