中学校野球部!絶対に強くなるヒント集

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部活廃止論で本当に教員も子どもも救われるのか?もっと良い着地点があるはずだ!

部活動廃止論は本当にベストな形なのか?

部活動廃止論の根拠となる意見に私の意見をぶつけ、提案をしたいと思います! 

 

※こちらは2017年の記事となっています。当時の考えを残すために改訂せずに残してあります。現在の私の考えとはかなり異なる部分がありますので、ご理解いただけたらと思います。

 

〇部活動廃止論が広まっている!

私はここまでに何度も部活動問題や教員の仕事の問題について言及してきました。これまでの記事もぜひご覧いただけたらと思います。  

www.taguchizu.net

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部活動問題や教員ブラック問題については徐々に盛り上がってきており、署名を集める活動が行われたり、文科省のパブリックコメントに多くの意見が集まったりしているようです。

それらの意見の中心は部活動を外部委託することで教員の負担を減らすというものです。

外部指導員の導入などはすでに行われていますし、それの発展型のような「部活指導員」もおそらく効果は期待できないので、実際には完全に切り離す意見が中心です。

事実上の「部活動廃止論」が主流ということになります。

この「部活動廃止論」によって教員も子どもも救われるという意見がツイッターなどでも多く見ることができます。

しかし、本当に「部活動廃止論」がベストの形なのでしょうか?

今回は「部活動廃止論」を推し進める方々の意見に対して、私の考えを述べていきたいと思います。

 

〇部活動廃止論の意見に疑問を投げかける。

「部活動廃止論」を提唱している方々の意見に対し、それぞれ私の意見をぶつけてみましょう。

 

・部活動は「教育課程外の活動」であるから必ずしも顧問を持つ必要はない。

→現状は断る権利があると言えるのではないかと思われる。しかし、これを理由に「だから顧問を持つ必要がない」と言ってしまうと、他の教員にしわ寄せがきてしまう。また、もし仮に学習指導要領の文言が変わったり、教員の服務の内容が変わったりしたら逆にこの主張は自分たちの首を絞めることになる。と私は考える。「部活動を廃止すべき」「顧問を持つ必要がない」と考えるのではなく、逆に部活動を校務分掌に明確に位置づけてしまい、仕事量が平等になるようにすれば職場全体が働きやすい環境になる。

 

・部活動の負担が重く、授業に支障をきたしてしまっている。

→これが一番の問題であるし、私も概ね同意する。しかし、この一番の原因が部活動だとまで言い切れるかどうかは疑問。各種調査、研修、研究、偏った仕事量など他にも原因は考えられる。他の項でも述べるが、部活動のスケジュールを見直し、週の活動回数や活動時間を減らすだけで負担はかなり減ってくる。また、先にも述べたが、校務分掌に明確に位置付けることによって、負担の重い部活動を持つ教員は校務分掌を減らすなど、部活動を含めて仕事を平等化できる(現状は部活動を除いて仕事の平等化が図られている)。また、正直、教員の大部分がタスク管理が下手なことは自覚しなければいけないし、課題である。長くなったが、これまた部活動を廃止すべきとなるのは少し違う気がする。

 

・部活動の場で、体罰や暴言が問題になっている。

→これは部活動が問題なのではなく、体罰や暴言を行う教員が問題。確かに体育館等で他の教員の目が無いところで行う部活動は教室よりも体罰や暴言のリスクが高いのかもしれないが、定期的な体罰調査、アンケートや管理職の見回りで防止できるし、普段から暴言による指導を行っている教員ははっきり言って管理職も把握している場合がほとんど。よってこれによって部活動を廃止すべきとはならない。改めなくてはいけないのはそういった教員への指導、処分、適切な配置。

 

・「部活動だけ教員」が存在し、周囲に迷惑をかけている。

→これも問題なのは「部活動だけ教員」。それと、それを認めている管理職。適切な配置、仕事の分担にすることによってこの問題は解決される。部活動を廃止すべきとはならない。

 

・平日の活動もほとんどの時間が勤務時間外の活動になってしまっている。

→必ず勤務時間外にも活動をしなくてはいけないわけではない。17時までの活動にしても良い。現に私は子どもが生まれたため、今年度からそうする。それに対して「生徒が~」、「保護者が~」と言うのは事前の説明、部活動方針をしっかりと周知できていない教員に責任がある。また、そういったケースもあると説明しない管理職も問題。よって部活動を廃止すべきとはならない。

 

・超勤4項目に部活動は入っていないので、勤務時間外にやる必要はない。

→というか残業しているほとんどの仕事は超勤4項目(生徒の実習、学校行事、職員会議、非常災害)に入っていない。部活動のときだけ超勤4項目を持ち出してくるのは不自然。実質出ていない教員の残業代の問題や、勤務時間内に終わらない仕事の問題については考えなくてはいけないし、課題である。しかし、だから部活動を廃止すべきとなるのは、先の必ずしも勤務時間外にも活動をしなくてはいけないわけではないということと合わせておかしいと言える。

 

・部活動によって負担が違いすぎて不平等である。

→これも先に述べたが、部活動を校務分掌に明確に位置付けることによって仕事量をある程度平等にすることができる。少なくとも若手が重い部活動+重い校務分掌となり授業に手が回らないということは避けることができる。校務分掌化することで部活動を持たなくともその他の仕事を多く持つことで、平等となる。したがって部活動を廃止すべきとはならない。

 

・生徒も部活動が負担となり苦しんでいる。

→生徒が負担に感じない程度にやれば良い。部活動が悪いのではなく、生徒が重く負担に感じるほどのスケジュールを組み、指導をしている教員が悪い。そもそも文科省から週に2日は休養日を設けるという通知が来ているのに守っていない教員、それを認めている管理職がおかしい。管理職が文科省から通達がある旨を保護者に説明し、年間スケジュールや月間スケジュールを確認するだけでも随分変わる。故に部活動を廃止すべきとなるのはおかしい。

 

・生徒のみならず、保護者も部活動で負担を強いられることがある。

→これも同上。保護者にまで重い負担を強いるような部活動経営をする教員側の問題。しかしながら、公式戦時の送迎など、保護者の協力が無ければどうしようもないことがあるのも事実で、「その程度の負担はあります」と初めに管理職及び顧問が説明する必要はある。この理由でも部活動を廃止すべきは言い過ぎ。

 

〇教員も生徒も保護者も納得する打開策があるはずだ!

以上、部活動廃止論にひたすらに異を唱えてみました。

正直、部活動廃止論派の人たちのお気持ちも非常に良く分かります。

しかし、部活動には部活動の良さがあり、日本の教育にいい影響を与えてきた側面をもっと評価して良いと思うのです。

教員ブラック問題と一緒になって考えることによって、部活動が標的となってしまっていますが、上記でひたすら異を唱えたように、冷静に考えると「部活動=悪」というよりは「部活動を適切な形で行っていない学校現場+文科省及び教育委員会=悪」のように思いませんか?

勝利至上主義に陥り、部活動の本来の意義を見失っている教員。

休みなく部活動を行う教員を高く評価する管理職。

通達を出すだけ出しておいて守らせる努力をしない文科省や教育委員会。

それらが悪いのであり、教員も生徒も保護者も納得する着地点、打開策があるはずだと私は考えています。

その一つとして先にも述べましたが、以下の提案をします。

 

1、部活動を明確に校務分掌に位置づけ、教員の仕事量を平等にする努力をする。

2、週休2日を徹底する。守れない教員、守らせられない管理職は処分する。

3、「部活動は教員のやれる範囲でやるもの」ということを管理職、教育委員会、文科省が徹底して保護者や地域社会に伝える。

4、部活動に関わる残業、休日の手当を保障する。

5、プロを目指すような活動はできないし、やらない。そこまで目指す場合は外部クラブを利用するように勧める。

 

以上を行うだけでもずいぶんと変わるはずです。

もちろん、教員ブラック問題を合わせて考える場合はこれ以外の部分にも手を入れる必要がありますが、部活動問題についてはこれだけでも大きく変わってくると考えます。

ぜひみなさんの意見も聞かせてください。

 

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