連続ティーバッティングや連続素振りは危険!?
コネる癖がついてしまったり、腰に大きな負担がかかってしまったりするため、私はおすすめしていません!
しかし、プロ野球の練習や高校野球の練習で多く取り入れられているのも事実。
その理由はなぜなのでしょうか?
調べてみました!!
〇デメリットが多く感じる連続ティーバッティング、連続素振り!
以前このような記事を書かせていただきました。
私も中高生のときにかなりこの練習をさせられました。
マスコットバットでやっていたのでかなりきつい練習でした。
そのときはスイングスピードを速くするための練習と教わっていましたが、指導者になって効果に疑問を感じることが多くなってきました。
コネるし、ダウンスイングになるしでメリットが感じられなかったんですね。
その当時はまだ宮川理論は知りませんでしたし、当然「フライボール革命」なんて言葉もないころでしたが、私は部員全員に3年間で一度は長打を打ってもらいたいと思っていたので、とにかくフォロースルーを大きく取るように指導していました。
ですからコネるスイングやダウンスイングには当時から否定的だったんです。
宮川理論やMLBのバッティングを勉強し始めてからは特にそう感じるようになり、連続ティーバッティングや連続素振りはデメリットが多い練習だと確信し、選手にはすすめないようにしています。
しかし、プロ野球や高校野球など多くのチームで採用されている練習です。
バットの出方が凄い 長野久義選手 連続ティー【日南キャンプ】
私はおすすめしない練習ですが、効果が高いと感じている指導者も多いということだと思うのです。
そこで今回は、私の考えではなく、連続ティーバッティングについて他の方の見解を調べてまとめてみたいと思います。
〇連続ティーバッティングを推奨する方の意見!
こちらのB1(Baseball one)さんの記事では、連続ティーバッティングの効果を以下のように述べています。
あなたも一度は連続でティーバッティングや素振りを行ったことがあると思います。
その中で注意しなければご自身のバッティングフォームを崩してしまう恐れがあるのです。
多くの選手が連続ティーや素振りを行うときに「何のためにやっているの?」と聞くと「スイングスピードを上げるためです!」「力をつけるためです!」と返答してくれます。
しかし!!
スイングスピードをあげたいのであれば思いっきり一球一球全力で振り続けた方がスイングスピードは上がります。力も付きます。
連続ティーや連続素振りというのはあなたのフォームのタイミングを合わせるための練習方法なのです。
多くの選手が連続ティーを行うと、手の力だけで打ってしまいます。そうすることで手に力が入り力んだ状態で打ってしまうためすぐにバテてしまい弱い打球ばかりになってしまいます。これが癖付いてしまえばフォームは必然的に崩れてしまうのです。
連続でスイングするときには意識しなければいけないポイントがあるのです。
それが、、、
回転・体重移動・スイングこの3つのタイミングを合わせることが大切になります。
まず回転ですが、肩や上半身だけではなく腰から!しっかり回転させる。
さらに体重移動というのは打ちに行く時もそうですが連続でスイングする場合は戻す時もしっかり体重を軸足の股関節に戻しましょう!
この2つのタイミングと最後はスイングのタイミングがバラバラになってしまわないように練習で取り組んでいただきたいのです。腕の力だけではなく全身の力を使ってバッティングができるため強い打球を続けて打てます。力を全身に分散できるため疲労もそれほど感じることもなく打てるようになり数が増えていくようにもなります。
このように何のための練習なのかというのを頭に入れておくことで連続ティーや連続で素振りするという練習方法の効果は大きく差が出てきます!
あなたは練習しているのにバッティングが悪くなってしまう練習を続けてしまってはいませんか?
そうならないためにも何のための練習なのかというのを常に頭に入れて練習に取り組んでいってくださいね!そうすれば連続ティーや連続素振りというのはとても効果的な練習ですので必ず取り組んでいただきたいメニューの一つになります!
このようにB1さんは連続ティーバッテイング肯定派のようです。
ただし、私が中高生のときに指導者に言われた連続ティーバッテイングの効果は否定しています。
「スイングスピードを上げること」ではなく、
「フォームのタイミングを合わせること」
が目的と述べています。
連続ティーバッティングは手打ちになりがちですし、腰をしっかりと回すことや下半身を使って振ることは確かに重要かと思います。
しかし、こちらの動画をご覧ください。
う~ん、おっしゃりたいことは分かるのですが、私が知っている連続ティーバッティングや連続素振りのテンポとは全然違うんですよね。
B1さんは通常行われているような連続ティーバッティングであっても「とても効果的な練習」と考えているのでしょうか?
ちょっとこの記事では分かりませんね。
スポルアップベースボールというサイトでも紹介されていました。
こちらで勧められているのは低めの連続ティーバッティングなのですが、記事では以下のように紹介されています。
この練習を続けることで、身体(特に上半身)が突っ込んでしまった状態でも強いスイングを実現できるので、さすがにホームランや外野の頭を越えるのは、なかなか難しいですが、内野の頭ぐらいは越える打球は打てるようになりますし、内野間を抜ける強い打球も打てるようになります。
低め連続ティーバッティングは、筆者も何度も練習しましたが、ポイントは、
・軸足の膝をとにかく残すイメージ
・背筋で打つ
という点です。
最悪上半身が前に流れてしまっても(さすがにかなり大きく流れてしまっては無理ですが)、軸足の膝がまだ回りきっていなければ、下半身の力を使ってスイングすることができます。なので、低め連続ティーバッティングをする時は、軸足の膝をうまく粘らせてスイングする意識を強めると良い思います。
そして、バットスイングはやはり腕だけで打つと、打球は弱くなります。特に身体が前に突っ込み気味状態であれば尚更です。なので、筆者は腕で打つ意識を無くし、背筋を使って打つイメージを強めます。
軸足と背筋を特に意識して、このティーバッティングを行ってました。
動画を見ると山田選手のスイングはさすが、の一言です。ぜひ参考にしてみてください。
私も突っ込んだ状態で行うティーバッティングをやらせることはあるのですが、確かにここで言われているような効果はあると思います。
しかし、連続で行う理由は特に記されていません。
「連続で」行う必要があるのか知りたいところです。
この他にもFacebookやツイッターでも連続ティーバッティングを推奨している方がいて、それらの方々の意見も見てみたのですが、
「分かる人には分かる」
などと書かれていて、説明になっておらず、参考にはなりませんでした。
本当に高い効果があるのかもしれませんが、普及させるのであればどの点に注意して行うべきなのか、どのような効果があるのかはっきりと記していただけると野球界のためになると思うのですが…。
〇連続ティーバッティング否定派の意見!
最近見た記事で一番連続ティーバッティングを分かりやすく批判しているなと感じたのはこの記事です。
ここがおかしい連ティー(代表的な点のみ)
①↑インパクトの時に下半身が回りきらず中途半端になっている。連ティーでは時間的余裕がないので必ずそうなる。こんな形を身体にしみこませてどうなるのか? しかも連ティーはかなり多く回数をこなすので、余計染みつく。↑本来は、下半身がこれくらい使い切られた状態=前足がきちんと伸展+軸足が深く内旋・内転した状態でインパクトを迎えるべき
②手首を早期にこねる癖が身に付く
③ボールの角度も悪い。斜めから投げられたボールを正面のネットに打ち返すのだから、バットの軌道は「ファウルゾーンに引っ張り込む」のと同じになる(この点は落合博満氏も「落合博満バッティングの理屈」で指摘)。
④肩の回転面とバットの回転面が不一致しやすい(大根切り的になる)
⑤肩のラインが入りすぎやすい
⑥フォローも小さい。両手が縮こまるようなフォローしかとれない。フォローの小ささはスイングが弱いことの証左
というように6点良くないところを挙げています。
さらにここからがお見事なのですが「反論への反論」も用意してくださっています。
・「強豪校やプロが連ティーをやっている」
→強豪校・プロが連ティーをやっているからといって自分たちも連ティーをやる理由にはならない。強豪校・プロの選手はもともと動きの筋がいいので、↑のようなデメリットのある連ティーをたくさんやってもなお打撃が崩れないと考えることもできる
・「連ティーでリストの返しを強化しているのだ」
→意味不明。リストとは何なのか説明してください。腕の力は下半身の力の数十分の一でたかが知れてます。「リストを強化する」とは言うものの、単に腕の力に頼って振るクセを付けているだけのことが大半
・「下半身と上半身をツイストさせてバットを加速させる練習だ」
→ツイストはバッティングのなかでもかなり高度な技術(タイミングをずらされたときに骨盤の回転をあえて抑えたままバットを出す)。そもそも「強いスイングができる」という前提条件すらクリアしていないのになぜツイストができるというのか
・「連ティーをやるとバットが軽く感じる」
→連ティー以外の練習をやっても軽く感じる。連ティーである必要性はどこにもない
・「連ティーで数をこなす」
→数をこなすことが目的になっていないか? デメリットだらけのことで数をこなしてどうするのか
・「連ティーは下半身と上半身をうまく連動させて打つ練習になる」
→置きティーで遠くに飛ばすorドリルをこなすほうがよほど運動連鎖を習得できる。連ティーである必要性はどこにもない
・「目と手の連携(ハンドリングやハンドアイコーディネーション)が下手なので、それを克服するための機会を連ティーで確保している」
→これならまだわかる。しかし、「目と手の連携が下手で、訓練の必要がある」という人は全体の何パーセントいるのか
・「スイング力強化のためにやっている」
→下半身もロクに回せないティーなのに? 連ティーのときの打球がどれだけ飛んでいるのか考えてみるといい。内野の頭を超えるか超えないかくらいしか飛んでない。大きな質量と出力を持つ下半身を中途半端にしか回さない連ティーがスイング力強化につながるとは思えない
・「身体を強くするためにやっている。たくさん振ることで強くなる」
→昭和の走り込みする人も同じこと言ってた。たくさん振って強くなる?? 振るだけで打撃力が向上するなら、小さいころからひたすら振り込んできた日本人野手がMLBの本塁打ランキングを独占してなきゃおかしい。トレーニングで身体を強く大きく素早くしてからバットを振るほうがよほど良い
・「自分は連ティーをやることで打撃力を伸ばした」
→否定はしないけど、連ティー以外のことをやればもっと良くなってた可能性がある
・「連ティーはきついし、やってる感がある」
→単にキツいだけで何もいいことがない。自己満足でやるならいいけど他人まで巻き込むのはやめてほしい
この「反論の反論」は本当にお見事だと思います。
肯定派の方はこの「反論への反論」に反論していただけたらと思いますね。
こちらは私がFacebookで参考にしている「野球指導について考える」さんのページです。
こちらのページで今回の連続ティーバッティングと関わりがありそうな投稿があったので許可を得て引用させていただきます。
アメリカに住んでいるため、「アメリカではどんな指導をしているのか?」というお尋ねを受けることがよくあります。
ここのところ話題にしている「手首の返し」ということに関しては、しばらく前から「諸悪の根源」のような扱いをするのが一般的だと思います。
今も「手首を返してヘッドを走らせろ」という教え方をする方はありますが、そういう「指導者」は、ほとんどが息子のためのロビイストとしてチームに入っている「素人」コーチです。
私自身素人なので、素人だからいけないと決めつけるわけではありません。ただ、その昔教わったことを無批判に繰り返しているだけの「指導者」には大いに問題があると思います。
それに、ここで言う「素人」とは指導の素人という意味であって、このなかには比較的高いレベルで大学ぐらいまで野球を続けていた人も含まれます。
前に出ろ、正面で捕れ、手首を返してヘッドを走らせろ、上げるな、叩け、体で止めろ、ゴロは回り込んで、、、日本でよく聞く(子どもの野球からプロ野球中継の解説まで)「セオリー」の多くは、私の知るかぎりアメリカでは、今言ったような「素人」の専売特許です。
ちなみに、ここに挙げた動画はすべて、「手首を返してヘッドを走らせる」という「悪い」打ち方を修正する方法を説明したものばかりです。これは検索すると瞬く間に数限りなく見つかります。それぐらいこういう打ち方は否定されています。
ここでは特に連続ティーバッティングや連続素振りについて触れられてはいませんが、連続ティーバッティングを繰り返すことでなりやすいバッティングを指していると私は感じました。
連続ティーバッティングの動画を見ると「手首を返してヘッドを走らせる」という動作を繰り返させているように見えます。
これがアメリカでは諸悪の根源のように扱われているというのは興味深いと思いませんか?
〇明確なメリットを見つけらないのであれば止めた方がいいのではないか?
以上、私の意見ではなく、賛否両論引用させていただいて併記してみました。
やはりこうやって見てみても否定的な意見の方が私は納得できると感じます。
もちろん、ここに掲載した以外の意見もたくさんあると思うので、もっともっと私が勉強をすれば、メリットも見つかるかもしれません。
しかし、デメリットを上回る明確なメリットを見つけられない段階で練習メニューに採用することはしてはならないと思います。
全ての練習は目的があって行われるべきです。
そして、ケガのリスクができるだけ無い練習を選択すべきです。
したがって、現段階では私は練習メニューに採用するつもりはありません。
指導者の方々はぜひこの機会に今一度デメリットを上回る明確なメリットがあるのか考えてみて欲しいと思います。
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