監督タイムを有効に活用できていますか!?
守備、攻撃ともに監督タイムを有効に活用することで、選手が力を発揮できるようになります!
逆にうまく活用できないと選手の力を引き出せません!
監督タイムについて考えてみましょう!
〇監督タイムを有効に活用できている指導者は意外と少ない…
公式戦では攻守ともに監督タイムを3回取ることができます。
この監督タイムを有効に使うことはできていますか?
「監督タイムのタイミングがなかなか難しい」
「どんなことを話すべきか分からない」
「監督タイムに効果を感じない」
そんな話を聞くことがあります。
事実、私も指導者になりたての頃は監督タイムのタイミングや話す内容について悩みました。
いろいろな先輩方に相談してみたものの、様々な考えがあり、さらに悩んでしまったことを覚えています。
以前の私のように感じている方は多いことでしょう。
しかし、そういった方に監督タイムを取る練習をしているかと聞くとしていないのです。
私も監督タイムを取る練習をするなんていう発想そのものがありませんでした。
指導者3年目に、監督タイムのタイミングをミスし、都大会まであと一歩というところで逆転サヨナラ負けをしたことがありました。
そこから自分自身も練習試合でもっといろいろと試して勉強する必要があると痛感し、監督タイムの練習をするようになりました。
以前、こちらの記事に書きましたが、選手がプレーの練習をするように、監督だって練習しなければ上達はしません。
練習試合で監督タイムを積極的に取らせてもらい、どんどん練習しましょう。
練習試合で監督タイムを取ることに違和感をもつ方もいるので、事前に相手チームに一言伝えておくと良いと思います。
また、そうやって練習試合から監督タイムの練習をしておくことで公式戦のときに監督タイムを取っても特別感は出ません。
普段取らないのに公式戦のピンチだけ取っていたら余計にプレッシャーがかかってしまうことがあります。
これはけっこうあるあるなので注意が必要です。
〇監督タイムのタイミング!
守備の際の監督タイムのタイミングは、基本的にはピンチになりそうな時です。
よく守備が崩壊、大量失点してからタイムを取る指導者がいますが、かなり遅いです。
得点差にもよりますが、基本的には得点を与える前にタイムをかけるべきです。
例をあげます。
・接戦の終盤、先頭バッターを四球やエラーで出してしまった。
・初回に1番、2番に出塁を許し、クリーンナップを迎える。
・守備のミスが続いてしまった。
など、特にミスが絡んで得点圏に進んでしまった場合は雰囲気も悪くなりがちなのでタイムを取ってバタバタいかないようにしたいものです。
ただ、ある程度得点差がある場合は、ちょっとした程度で監督タイムを取ると逆に「あれ、今マズイのかな?」と感じたり、相手チームも「お、流れがきてるのか!?」となってしまったりするので、「いいよ、いいよ1点くらい」と余裕を見せておいた方が良いと経験から感じています。
〇監督タイムで伝えるべきこと!
では監督タイムを取ったらどのようなことを伝えるべきでしょうか?
これはチーム事情やレベル、はたまた指導者の個性によって大きく異なると思います。
まだまだ成熟していないチームであれば、戦術的な助言、たとえば
「ここは前進守備でサードランナーをアウトにしよう。」
というような内容がメインになるかもしれません。
ある程度自分たちで指示を出し合えるレベルであれば、指導者はメンタル的なフォロー、たとえば
「大丈夫、いつも通りやろう。練習でやったことと同じケースだ。」
というような内容がメインになるでしょう。
この話の内容も練習試合で繰り返し練習し、選手が力を発揮できる言葉かけができるように備えるべきなのです。
チーム、選手、指導者によってここのベターな解答は異なるに決まっています。
指導者が行かずに、内野手だけ集まった方がうまくいくチームだってあるはずです。
キャプテンがかなり気の利いたことを言えるようなチームはそれでも良いと思います。
それだって練習し、試してみなければなければ分かりません。
高校野球の場合は指導者が行くことができませんから、誰を伝令に行かせて、どんなことを言わせるのかを練習する必要があります。
いずれにせよ、監督タイムは選手の力を引き出すために使うべきです。
タイミング良く使うことができれば、話の内容に関わらず、悪い流れを断ち切る効果があります。
〇攻撃時の監督タイム!
ここまで監督タイムについて書いてきましたが、守備でのタイムを主に想定しています。
しかし、攻撃タイムも非常に重要です。
守備タイムに比べ、攻撃タイムを取るタイミングが分からないという方が多いようです。
攻撃タイムは効果がないと言う方もいます。一番オーソドックスなのは、ランナーがいるケースで、作戦ややるべきことの確認に使うことでしょう。
サインミスの可能性がある場合はこの攻撃タイムももちろん有効だと思います。
これは要するにチャンスで使う攻撃タイムです。
しかし、私がもっとおすすめするのは、悪い流れを止めるための攻撃タイムです。
チャンスではなく、ピンチで使う攻撃タイムですね。
たとえば、1アウト3塁。
大チャンスですが、3塁ランナーが牽制でアウトになってしまうとどうでしょう?
一気に2アウトランナー無し。
守備側に流れが傾き、下手したら次の1球でチェンジになります。
気持ち的にもバタバタしたまま守備に向かうことになり、大チャンスが一転ピンチになるわけです。
ここで攻撃タイムを取ると、間ができるので、相手は勢いを削がれ、自チームは守備に気持ちを備えることができます。
他にも、最終回で負けている。
先頭バッターが簡単に追い込まれてしまった場面。
私であれば、アウトになる前にタイムを取ります。
ピッチャーは最終回で気持ちが入っていますし、簡単に追い込まれたら圧倒的にバッターが不利です。
選手にもよりますが、かなり緊張し、なかなか手が出なくなっている可能性があります。
このタイミングでタイムを取れば、バッターはちょっと気持ちは楽になるし、ピッチャーはせっかくの気持ちがリセットされるような時間が生まれます。
正直、そこで話すことは何でもいいです。
私だったら、肩を叩いて、
「大丈夫。三振して来ていいぞ。俺の責任だから。」
と笑顔で一言かけると思います。
長い技術的な話や、固い表情でお説教なんかはいらないところです。
何度も言いますが、選手の力を引き出すための監督タイムなのです。
これらはあくまでも1例ですが、攻撃タイムでもピンチのときに取ってみてはいかがでしょうか?
今回は監督タイムについての記事でした。
まずは練習試合でどのようにやるのがベターなのか試してみてください。
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