相手チームがすばらしいプレーをしたときどのようにしていますか?
相手チームであってもすばらしいプレーは称えるチームを作りましょう!
両チームにいい影響がありますよ!!
〇礼儀を大切にするチーム作り。
私は以前からしつこいくらいに「部活動は人間形成」ということを訴えてきました。
選手にも当然それを伝えていて、選手たちも礼儀を意識した行動を自分たちから取るようになっていました。
この辺りの話は以下の記事を読んでいただければと思います。
上記の記事にある「日本一の礼儀への挑戦」に取り組む中で、私がこの子たちならできるんじゃないかなと思い、取り組み始めたのが「ファインプレーやガッツ溢れるプレーは相手チームであっても称える」ということです。
〇相手チームのすばらしいプレーを称えるチームを作る!
野球だけではなく、他のスポーツ、いや体育の授業などでも、こういった経験はありませんか?
相手チームをヤジって、ミスを誘って勝ったり、ヤジを言われて気分が悪くなったりといった経験です。
私はこれがすごく嫌でした。
私もやはり勝ちたくて、周囲に流されて同じようにヤジを言ってしまったことが何度もあります。
所属していたチームによってはそれが当たり前だったこともありました。
その結果、勝ったときの気分の悪さ。
せっかく勝ったのに嬉しいという気持ちがなかったんですね。
昔はどのスポーツもヤジを言って当たり前のようなところがあったと思うのですが、相手のミスを誘ったり、不快にさせるヤジはあってはいけないものだと思います。
そこで、私は「相手のすばらしいプレーを称える」という取り組みをしたかったのですが、これはある程度チームのレベル(技術的なレベルではなく、精神的なレベルです)が高くないとできません。
レベルの低いチームにこの取り組みをやらせると、たとえばキャッチャーがファウルボールに飛びついたが惜しくも捕れなかったなんてことがあった場合、言葉は同じ「ナイスガッツ!」でも気持ちが全然違うことでしょう。
相手をひやかすような声になってしまうことだと思います。
「ナイスガッツ~!(捕れないのによくやるねえ~笑)」というニュアンスの声になると思います。
ですからまずはチームが当たり前のことを当たり前にできるよう、キャプテンを中心に組織をしっかりさせていくことが先決です。
この辺りに私とチームが行った組織を強くする取り組みが書かれています。
〇相手チームを褒めることで起こった効果
こうして、ある程度チームが成熟したところで「相手チームのすばらしいプレーを褒める」という取り組みを始めました。
そうすると以下のようなすばらしい効果がありました。
1、ファインプレー後に褒めることで、流れが一気に相手に傾くことが少なくなった。
…これはファインプレーがあると、通常ベンチから言葉がなかなか出てこないということが多いですが、それがなくなるからだと思います。
たとえば相手のショートがダイビングキャッチでヒット性の当たりをアウトにしても、
「ナイスキャッチ!すごい!うちのショートも負けるな!」
というような声がすぐにベンチから出るわけです。
意気消沈することがないので、流れが相手に簡単にいかなくなります。
また、会場も後押ししてくれることが増えるのも流れをやらない要因だと思います。
2、自分もファインプレーやガッツ溢れるプレーをしようというプラスの感情が出てくる。
…相手チームのすばらしいところを褒めているうちに選手たちも「負けないぞ!」「自分だって!」という気持ちが芽生えてきます。
しかも、初めから「褒める」意識で相手を見ているので、どうも相手のプレーによって自分ができるイメージができるようなんです。
実際、褒め始めてから守備はさらに固くなったと私は思いました。
これは研究成果とかではなく、私の印象なのですが。
3、相手チームの雰囲気まで変えることがある!
…最初に褒められた相手チームは「えっ?」という表情をするのですが、続けているうちにそれが私のチームのスタンスだと伝わると、まれに相手チームの雰囲気が変わっていくことがあります。
私のチームのファインプレーに対して、今度は相手チームのベンチから褒める声がかかることがあるのです。
こういうケースは私も数回しかありませんが、こうなった場合、互いに好プレーを連発するような非常に引き締まった好ゲームになることが多いです。
4、野球が楽しくなる!
3で紹介したようなゲームになるともちろん勝っても負けても楽しくプレーができるのですが、そこまでいかなくとも、ヤジで不快な思いをする、勝ったのに嬉しくないということはなくなります。
どなたでもフェアプレーで戦いきったときは試合終了後に非常に満足すると思うのですが、それが毎試合続くような感じです。
相手チームも負けたとしてもすがすがしい表情をしていることが多いので、相手チームも楽しく試合ができたのだと思います。
以上のような非常に良い効果があります。
当たり前ですが、全部のプレーに声をかけるわけではありません。
ファインプレーやガッツ溢れるプレーを評価するということです。
ただし、ごくまれに、相手チームの顧問の先生から「やめてくれ」と注意されたことがありました。
相手チームに声をかけることはいけないことだという考えもあることはあるので、そういった場合はやめたほうが良いと思います。
相手チームのすばらしいプレーを褒める取り組み、ぜひやってみてください。
↑併せてこちらの記事もご覧ください。
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