ピッチャーからキャッチャーにサインを出すことは可能なのか?
細かな野球のルールを解説するシリーズ第一弾です!
〇ピッチャーがサインを出すことはできるの?
まれに野球マンガでピッチャーがキャッチャーに対してサインを出しているシーンを見ることがあります。
私が大好きだった「クロカン」という野球マンガでもピッチャーからサインを出していましたが、そのサイン交換に失敗するというシーンが出てきます。
また、プロ野球でもピッチャーが帽子のツバを触ったり、肘あたりを触ったりするシーンを見ることがあります(それはサインなのか分かりませんが)。
さて、野球の細かなルールシリーズ第一回の今回は、
Q、「バッテリーのサイン交換の際に投手が胸や腕を触って捕手にサインを出すことはできますか?」です。
さっそく答えですが、
A、できません。ボークになります。
投球動作の変更・中断と判断されてしまいます。
また、けん制時などに投手から野手にサインを出すことも同じく禁止されています。
捕手とのサインのやり取りで投手の意志を示すには首を振る・うなずくしかありません。
先の例のように、マンガとかアニメでそんなシーンを見たことがありますが、実際は禁止されています。
ここから、公認野球規則をもとに詳しく解説していきます。
まず、そもそもピッチャーは
「投手は、投手板に触れて捕手からのサインを受けなければならない」(公認野球規則5.07a)
となっています。
そして、ワインドアップ・セットポジションともに、
「打者への投球動作を起こしたならば、中断したり、変更したりしないで、その投球を完了しなければならない」(同5.07a(1)と(2))
とあります。
首を振ることは問題ありませんが、ワインドアップ・セットポジションで投手板に触れたら、投球動作に入る行為以外は基本的に行うことができません。
たとえば汗を拭きたくなったら投手板を外す必要がありますよね。
同じように、ブロックサインを出したければ、本来は投手板を外さなければボークが宣告されます。
しかし、サイン交換は投手板に触れて行わなくてはいけませんので、要するに実際はピッチャーからキャッチャーにサインを出すということはできないということになるわけです。
そもそも公認野球規則ではサインはキャッチャーが出す前提で記載されています。
プロ野球を見ていると、キャッチャーのサインを受けて、ピッチャーが肘のあたりや帽子を触っていることがあり、ピッチャーからサインを出しているように見えることがあります。
しかし、ピッチャーからのサイン伝達は試合進行が遅れることに繋がるので、アマチュア野球ではやらないようにしましょう。
草野球くらいなら別ですが、正確にはボークを取られることになります。
また、同様にピッチャーから野手へのサインも好ましくありません。
2塁牽制等でピッチャーからサインを出すことはやめましょう。
ちなみにボークについてはこちらにまとめてあります。
以上、ピッチャーからキャッチャーにサインを出すことは可能なのかという非常に細かなルールの確認でした。
野球のルールの細部はかなり複雑です。
私自身、毎年公認野球規則を読み返すようにしていますが、正直それでもシーズン中に何度もあやふやになってしまうことがあります。
選手ならなおさらだと思います。
そこでおすすめなのが、定期的に野球ルール講習会を行うことです。
少しの時間ずつで構わないので、ぜひ取り入れてみてください。
次はこちらです。
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