強打者と対戦するとき、何を投げても打たれそう、そんなときのピッチャーの「原点」とは!?
まずは原点にしっかりと投げられるようになろう!
〇ピッチャーは困ったらどこに投げたらいいのか?
野球指導者の方々はバッテリーに配球の指導もしていることと思います。
中学野球からは変化球が解禁になるので、
・どの球種を選択するか?
・どのコースを選ぶか?
が大事になってきますが、野手出身の方なんかは特に配球の指導に悩まれることと思います。
以前配球については記事をまとめてあるのでご覧ください。
最高の配球としてはバッターが打てない配球なのですが、そもそもピッチャーがそこに投げることができなければ意味はありません。
ですからピッチャーが投げやすいリードを意識しましょうという内容でした。
しかし、どれだけ一生懸命に配球について考えても、強打者と対戦していく中で
「何を投げても打たれるかもしれない」
と感じるケースがありますよね。
そんなときにどこに投げたらいいのか?
それはピッチャーの「原点」だと思います。
「原点」とは、「外角低めのストレート」のことで、野村克也氏が提唱しています。
「ピッチャーの基本は外角低めのストレートである」ということですね。
「原点」とは、基本であり、生命線であると野村氏は述べています。
ただ、残念なことに野村氏の本を読みすぎて、どの本で原点について詳しく触れていたか覚えていません汗。
大体どの本でも触れてはいるのですが、とりあえず有名な「野村ノート」を紹介しておきます。
〇なぜ「原点」が大事なのか?
まずこの「原点」にしっかりと投げることができるようにならないと試合では使い物にならないと野村氏は考えています。
なぜ外角低めなのか?
これはちょっと考えると分かるのですが、バッターから一番遠く、長打を浴びる可能性が一番少ないコースだからです。
どうでしょう?
外角低めにズバっと決まるようなボールをホームランにできていますか?
キャッチャーが外角低めに構えてはいても、甘く入ったボールを打っていると思いませんか?
外角低めに完璧に決まったボールをヒットに出来ることはあると思います。
しかし、外角低めに完璧に決まったボールをホームランにすることはかなり難しいと言えます。
外角低めのストレートだけの動画はなかったので、他の高さもありますが、「原点」のすごさが分かるのではないでしょうか?
この原点のボールを長打にできそうですか?
難しいですよね。
こちらの記事で「外角低め」がいかに他のコースよりも危険が少ないかまとめられています。
コース別の飛距離を見てみると、最も飛距離が短いコースは外角低め(41.8メートル)であった。
飛距離が短いと長打や本塁打を浴びる可能性は低くなり、失点のリスクも低くなる。やはり従来の指導のように、「外角低めは安全なコース」であると言ってもいい。
一方、最も飛距離が大きかったのは真ん中高め(63.7メートル)。高めはどのコースも飛距離が大きかった。前回のコラムでも紹介したように、高めになればなるほど飛距離が伸びており、高めはどのコースであってもリスクが高いと言える。コースの影響だけを考えると、投手は「外角に投球すること」よりも、「低めに投球すること」を意識する方がリスクを抑えられるかもしれない。また、飛距離が最も伸びなかった外角低めは、打球速度・打球角度ともに低値だった。本稿では割愛するが、全球種において同様の傾向を見せており、非常にリスクの低いコースだと言える。「外角低めは投球の基本」という従来の指導は決して大げさではなかったのだ。
詳しいデータ、どのくらい他のコースよりも打たれにくいのかもしっかりと掲載されていますので、ぜひご覧ください。
〇まとめ
ということで、まとめます。
・バッターが一番長打を打ちにくいのは「原点」
・したがって配球で困ったら「原点」
・ピッチャーは「原点」に投げるコントロールを身につけなければいけない
ということになります。
そもそも、100kmの緩いボールを正確に外角低めいっぱいに10球投げてもらって、1球でもホームランにできるバッターがプロ野球に何人いるのか?
ほとんどいないと思いますよ。
困ったら「原点」。
中学生・高校生レベルであればなおさらです。
この原点をしっかり投げることができないのに、インコースの重要性を語る指導者が多いですが、まずは「原点」です。
ピッチャーはこの「原点」を大切にし、練習に取り組んでいきましょう。
↑コントロールを身に着けるにはこちらの記事を参考にしてみてください。
【追記】
複合バットの品質の向上により、中学軟式に限っては原点が通用しない現象が起こってきています。
正確には本当は通用しているのに、ヒットになってしまう現象です…。
こちらの記事で詳しく述べていますのでぜひお読みください。
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