中学校野球部!絶対に強くなるヒント集

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春の選抜大会の選考を見直す時期に来ているのではないか?

秋季大会の結果をもとに選出される春の選抜甲子園!

でも、選考基準がいまいち分からない… 

 

※こちらは2016年に執筆した記事となります。

 

過去記事はこちらです。 

www.taguchizu.net

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〇春の選抜の選考がよく分からない!

毎年、毎年思うのですが、春の選抜大会の選考に納得がいきません。

いきなりですが、春の選抜大会についてWikipediaより引用します。

出場校は、選考委員会によって決められる。1947年、小倉中学(現小倉高校)(福岡)が春の選抜甲子園大会で準優勝、夏の甲子園大会では優勝し、初めて深紅の大優勝旗が関門海峡を越えた。この小倉中学の春の選抜準優勝に続く夏の全国制覇は九州地区の中学校の野球熱を一段と高めた。この機運に乗って朝日新聞西部本社運動部の芥田武夫部長は全国に先駆け、「全国中等学校野球連盟九州支部」を組織し、秋に第一回九州大会を鹿児島の鴨池球場で開催し、大成功を収める。そのため他の地域も九州大会を範にして翌秋から地区大会を開催するようになる[1]。 以後、一般に、新チームで臨む最初の公式大会(実質的な新人トーナメント戦)となる秋季各都道府県大会・地区大会(全国10地区)の成績が春の選抜大会出場校・並びに補欠校を決める際の重要な選考資料となる。また、出場校が記念大会を除いて最大32校、記念大会でも最大36校と定められているため、1ブロックとして定められている東京都北海道を除けば、出場校が1校もない府県が毎回生じる。逆に、同一府県から2校以上選出される可能性もあるのが(過去には最大4校選出されたことがある)、選手権大会と大きく異なる点の一つでもある。

出場校の選考は各都道府県の高野連推薦校の中から秋季地区大会(東京都大会・北海道大会は地区大会に相当)と府県大会の実績と地域的なバランスを考えた選考を前提としている。ただし選考会では高野連役員の意思が反映されるため、秋季地区大会で初戦敗退ながらも選ばれる学校もある。

選抜高等学校野球大会 - Wikipedia より

ちなみに出場枠はどうなっているかというと、

一般枠:28

北海道:1(参加校数約240)

東北:2(参加校数約400)

関東東京:6(関東4・東京1・残り1は両大会の比較)(参加校数約1060うち東京だけだと250)

北信越2(参加校数約310)

東海:2(参加校数約440)

近畿:6(参加校数約550)

中国四国:5(中国2・四国2・残り1は両大会の比較)(参加校数約440)

九州:4(参加校数約540)

特別枠:4(21世紀枠3+明治神宮枠1)

計32校が出場できることになっています。

 

う~ん、この時点で参加校数と選出枠が全く合っていませんね…。

東北・東海はほぼ同じ校数で2枠なのに、なぜか中国四国はほぼ同じ校数で5枠もあります。

それに近畿の6枠も校数を考えると多い。

九州との2枠の差は一体何なんでしょう…。

 

という話をすると「レベルが」という人もいるのですが、では21世紀枠ができた2001年~2017年でベスト8以上の成績を収めた校数で比較してみましょう。

北海道(1):4校

東北(2):12校

関東(4.5):20校

東京(1.5):7校

北信越(2):7校

東海(2):14校

近畿(6):30校

中国(2.5):7校

四国(2.5):12校

九州(5):15校

はい、どうでしょう?

www.tigerkaz.info

こちらのサイトで調べました。

レベルで見た場合もだいぶ謎の割り当てになっているのがお分かりいただけますでしょうか?

どうしても古くからの野球ファンはイメージ的に東北が弱いような気がしているかもしれませんが、確かに優勝こそ無いものの、ベスト8以上には12回も進出していて、北信越や中国よりも結果を出しています。

近畿の6は結果を見ると妥当と言えるかもしれませんが、関東4.5に対して九州5も変な感じがします。

実力だけで考えると、

北海道東北:4(北海道代表も東北大会に参加する)

関東東京:6(東京都代表も関東大会に参加する)

北信越:1.5(東海との兼ね合い)

東海:2.5(北信越との兼ね合い)

近畿:7

中国:1.5(四国との兼ね合い)

四国:2.5(中国との兼ね合い)

九州:4

こんな感じになるのではないでしょうか?

 

ということで、校数で考えても実力で考えても選考はだいぶ謎な気がします。

 

〇選考委員会の選考はブラックボックスに近い。

ですが、100%平等にすることは難しいですし、選考基準がしっかりとしていれば問題がないのではないかなと思うのですが、その選考基準がとにかくあいまいなんです。

一応選考基準として

(1) 校風、品位、技能ともに高校野球にふさわしい学校であり野球部であること。

(2) 各都道府県高等学校野球連盟により推薦されたものの中から地域性を考慮する。

(3) 選手が大会参加者規定資格に適合していること。

(4) 予選は行わず、新チーム結成から11月30日までの試合成績および関連資料を参考とする。

(5) 当該校野球関係者は日本学生野球憲章の精神を尊重しなければならない。

(6) その他の事項については、別途細則による。

「大会参加資格規定」による

というものがあるようなのですが、具体性に欠けますよね。

 

特にみなさんが思っているように「21世紀枠」がさらによく分からない…。

ここ最近の21世紀枠出場校と選考理由を見てみましょうか。

 

まずは2017年に選出された不来方・多治見・中村

不来方は岩手県準優勝。部員わずか10人で今秋の県大会で決勝進出、初の東北大会出場を果たし、初戦で惜敗するも強豪相手に健闘した。

 

多治見は岐阜県優勝。勉強と部活動の両立を実践し、週2日の7時間授業や他部と共同でグラウンドを使用するなどの限られた環境で実績をあげた。

 

中村は高知県優勝。甲子園から長らく遠ざかっている。少人数の部員で文武両道を実践。部の活躍により地域を元気づけ好影響を与えている。

高校野球2017選抜甲子園21世紀枠推薦校 より

 

次に2016年に選ばれた釜石・小豆島・長田

まず東日本(北海道、東北、関東・東京、東海、北信越)から選考が行われ、5校のうち評価の高かった3校を中心に議論し、釜石が満場一致で選ばれた。釜石は東日本大震災で親が亡くなったか、行方不明になった野球部員が3人いる中で、野球にひたむきに打ち込んできた。そんな選手たちが甲子園でプレーすることは被災地にとって好影響を与えるとして共感を呼んだ。

西日本(近畿、中国、四国、九州)は4校の中から小豆島を満場一致で選出。2017年春の統合を控え、選手17人ながら自主性を持って練習し、昨秋の香川大会決勝では高松商を破って優勝したことなども評価された。

地区を問わない残り1校は多数決の結果、長田に。同じ敷地内に夜間定時制と通信制の高校が併設され、練習が制限される中で昨秋の兵庫大会8強まで進んだことが評価された。

センバツ 21世紀枠の選考経緯 | 高校野球 | スポーツナビ より

 

次に2015年選出の豊橋工業・松山東・桐蔭

豊橋工業は、今秋の県大会で3位になり東海地区大会に出場。夏の愛知大会でも4回戦で優勝した東邦高校に惜敗。県高野連によると、グラウンドが他の部活動や定時制と共有で、限られた環境の中で練習していることや、日頃から地域の清掃活動をしていることなどが選考理由となりました。

 

松山東。同校は今秋の県大会で、63年ぶりに決勝進出を果たした。他の部と運動場を共用しながら部員と指導者が一体となって創意工夫を凝らした練習で成果を上げたことや、学業と部活動を両立させていることが評価されました。

 

桐蔭。県下新人戦で4強入りし、秋季近畿地区高校野球大会県2次予選に進出。前身の和歌山中時代を含めて第1回選手権大会(1915年)から出場している伝統があります。

21世紀枠に松山東も決定!2015年の選考理由と注目ポイントは? より

 

というように「文武両道」、「限られた環境」、「伝統」、「被災地」、「他校の見本」、「離島」、「少人数」などがよくキーワードとして出てきていて、これは2001年から一貫して変わりません。

また、ほぼ公立高校が選ばれているのも特徴です(例外は土佐高校のみ)。

 

正直、21世紀枠ってもう選考委員の主観なんですよね。

「限られた環境」とか「見本」とかっていろんな学校に言えることじゃないですか?

選ばれた学校がよくがんばっていることはよく分かるのですが、選考に漏れた学校との差があるものなのかどうか不明なんですよね。

 

たとえば「(1) 校風、品位、技能ともに高校野球にふさわしい学校であり野球部であること。」という基準があると先に述べましたけれど、

www.nikkansports.com

 

小豆島高校は甲子園の半年後に部内いじめで処分されていますからね。

小豆島高校を批判したいわけではないです。

選ぶ側がちゃんと見ているのかということを言いたいのです。

 

県ベスト8以上という基準はあるものの、そんなこと言ったら47×8=376校あるわけで、その中から気に入った学校を各都道府県でセレクトしているように思えて仕方ないんですよね。

2015年の桐蔭高校なんて確かに県ベスト8ですけど、県大会が準々決勝から始まるので、県大会0勝で甲子園ですよ?

一方で東北大会ベスト4でも出場できない学校もあるわけです。

 

私は21世紀枠自体には反対ではないのですが、ブラックボックスの中で何らかの意図が働いたように決まることはさけてもらいたいと思っています。

そこで、私としては、

1、選考会議に報道陣の立ち入りを許可する。

2、21世紀枠をそもそも廃止する。

、21世紀枠は各地区の代表高校の主将が5分間程度のプレゼンテーションを行い、そのプレゼンテーションをもとに選考委員の投票によって決定する。当然このプレゼンテーションは公開、TV中継する。

という3案を提案いたします。

まあ3番の案は斬新すぎるので1か2でしょうね笑。

21世紀枠が始まって17年が経過し、春の選抜の選考についてもう一度見直しても良い時期が来ているのではないでしょうか?

みなさんはどう思いますか?  

 

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