投げる投手が少ないため大きな武器になるシンカー!
スイングパスの考え的にもシンカーは恐ろしいボールです!
〇その恐ろしさをまだまだ理解されていないシンカー!
以前にシンカーをおすすめする記事を書きました。
この記事を書いたころはまだ私は宮川理論の公認指導員ではありませんでした。
宮川理論を学ぶとスイングパス、つまりスイングの軌道について理解できるようになります。
私も宮川理論を学び、公認指導員となり、スイングパスについてある程度の知識が身に着きました。
↑宮川理論についてはこちらをどうぞ。
↑スイングパスについてはこちらをご覧ください。
そして、そのスイングパスについて学んだ結果、バッティングだけではなく、ピッチングについてもより詳しくなりました。
ボールの軌道にスイングパスが入りにくいボールこそが打ちにくいボールということになるわけです。
スピードを度外視すれば、ど真ん中のボールよりも外角低めのボールの方がスイングパスが入りにくいから被打率も低くなるわけですよね。
では球種で考えると、スイングパスがボールの軌道に入りにくい球種は何でしょうか?
もちろん変化球のスピードやキレにもよりますが、軌道だけを考えたときに恐ろしいボールと言えるのが「シンカー」だと思います。
〇シンカーが打たれにくい理由!
よく右ピッチャーのシンカーと左ピッチャーのカーブを同じように考えている方がいます。
確かにマシンの軌道やテレビゲームの感覚だとそうなんですよね。
しかし、曲がりは似ていたとしてもボールの出所が右と左で1メートルくらい違うわけです。
同じく右バッターの内角低めに決まったとしてもリリースからキャッチャーのミットまでのボールの軌道は全然違います。
右バッターが左ピッチャーのカーブの軌道にスイングパスを入れることはそれほど難しくありません。
世界屈指のカーブを投げるのではないかと思われるカーショー投手のカーブをご覧ください。
曲がりが大きいですし、ストレートとの球速差がかなり大きいため、魔球のように見えますね。
ただ、ストライクゾーンに来た場合、スイングパスがボールの軌道に入らないボールかと言われるとそういうわけでもありません。
だから打てると言っているわけではありません。
左ピッチャーのカーブだから打てないのではなく、カーショーのハイレベルなカーブだから打てないのだということが言いたいのです。
シンカーは出所が全然違うので右バッターのインコースに来ても、左バッターのアウトコースに来てもボールの軌道にスイングパスを入れることがかなり難しいです。
カーブの場合は面で捉えることができやすいですが、シンカーの場合は点に近い形で捉えなくてはいけなくなってしまいます。
実は私も大学生時代にシンカーピッチャーでした。
球種はストレートとシンカー以外にもカーブやスライダーを投げることができましたが、投球の中心はほぼシンカーでした。
先に述べたようにシンカーはコーナーに決まれば、点で捉えなくてはいけないのでインコースに投げることができればほぼサードゴロやファールになります。
当然ですが、私のシンカーはプロ野球選手のレベルには遠く及びませんが、その軌道だけで強打者も抑えることができたわけです。
シンカーを習得していなければ、私は大学生時代にあんなにマウンドに上がることはできなかったと断言できます。
〇プロの恐ろしいシンカーを見てみよう!
さて、ではシンカーがどれほど恐ろしい変化球なのかをプロ野球もしくはMLBの選手の実際に投げている動画で確認してみましょう。
まずはプロ野球のレジェンド高津投手。
NPBでシンカーと言えばこの人ですよね。
実は私も高津投手に憧れてシンカーを習得しました。
高津投手の影響か、シンカーはアンダースローが投げるイメージがありますが、そんなことはありませんよ。
シンカーの軌道に全然スイングパスが入らないのがお分かりいただけると思います。
次はMLBで活躍するこの投手。
実はダルビッシュ投手もシンカーを投げることができるって知っていましたか?
今の学生くらいだと知らないかもしれないですね。
実は高校生のときはかなりシンカーを多投していたダルビッシュ投手。
プロ入りしてからはスライダーへの影響を考えてか、それほど投げていませんが、投げようと思えばこの通り。
ちょっと正直、打てそうな感じがしないですよね汗。
お次はMLB屈指のすごいシンカーを投げるカブスのカイル・ヘンドリクス投手です。
彼は2016年シーズンに最優秀防御率のタイトルを獲得していますが、MLBの投手としては珍しく、ストレートはほとんど140kmに届きません。
しかし、シンカーとチェンジアップ、圧倒的な制球力を武器に凡打の山を築いています。
これまた見ていただけると分かると思うのですが、彼のシンカーに対してバッターは点で捉えるのが精いっぱいです。
やはり内野ゴロが多くなってしまいますし、シンカーを意識しすぎて逆のコースにチェンジアップに手が出ないというパターンに陥ってしまっています。
相当にシンカーがやっかいなんです。
最後はべらぼうに速いシンカーを投げるジョン・レスター投手です。
これまたカブスです。
レスター投手は140km後半のカットボールの方が有名かもしれないのですが、高速シンカーも投げることができます。
シンカーだけの動画を見つけることができなかったのでこちらの動画で我慢してください。
実は近年衰えが見られるのですが、それでもMLB屈指の好投手なのは間違いありません。
ちなみに彼はがんを乗り越えた選手としても有名ですし、牽制球イップスの投手としても有名です。
↑イップスについてはこちらをどうぞ。
ということで、引退した選手も含めて4名すごいシンカーを投げる投手を紹介しました。
中学野球~高校野球のカテゴリーではほとんど投げる投手はいませんが、シンカーピッチャーだった個人的な感想を言えば、捻らずにちゃんと抜くことができるようになれば肩肘に負担が少ないどころか、ストレートを投げるよりもかなり楽に投げることができる球種です。
スイングパスが入らないボールというのはバッターとしては本当に恐ろしいことです。
ぜひとも習得を目指してもらいたいと思います。
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