飯島智則氏の『イップスは治る!』が発売!
指導者、選手、保護者の方々など野球に携わる方々におすすめの良著です!!
〇『イップスは治る!』が発売!
2018年12月に飯島智則氏の『イップスは治る!』が発売になりました。
私もすぐに購入し、読ませていただきましたが、非常に参考になる書籍だったので、当ブログでも紹介させていただきます。
『イップスは治る!』は以下のような章立てになっています。
第1章「イップスとは何か?」
第2章「イップスに立ち向かう者たち」
第3章「指導者たちはイップスとどう闘っているのか?」
第4章「プロ野球選手が語るイップス体験」
第5章「イップスは克服できる」
『イップスは治る!』目次より
そもそもイップスが何か知らない方もいらっしゃると思うので、当ブログでイップスに関してまとめた記事をぜひご覧ください。
こちらの記事を見ていただければ、イップスとは何なのか伝わるのではないかと思いますが、『イップスは治る!』ではさらに詳しくイップスについて知ることができます。
以下、簡単に書評記事を書かせていただきます。
第1章「イップスとは何か?」
この章ではイップスとはどういった症状なのかが詳しくまとめられています。
そして、イップス研究の第一人者である河野昭典氏、松尾明氏のお話がまとめられています。
河野氏のイップス研究所はホームページも参考になるので合わせてご覧いただければと思います。
この章ではイップスの症状が詳しく説明されていますが、経験したことがない方はイメージが沸かないかもしれないので、こちらの動画をご覧ください。
イップスの知識が無いとふざけているように見えてしまうかもしれませんが、深刻なイップスはここまで投げられなくなってしまいます。
メンタルによる運動障害「イップス」かもしれないと思ったら、まず読む本
- 作者: 河野昭典
- 出版社/メーカー: BABジャパン
- 発売日: 2014/12/26
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
↑河野氏の書籍です。
第2章「 イップスに立ち向かう者たち」
この章ではイップスの具体例と、その克服に向けた取り組みが紹介されています。
この中で注目していただきたいのは「無意識のメンタルトレーニング」というイップス改善に向けた取り組みです。
「無意識のメンタルトレーニング」自体はイップス研究所でないと上手にできないかもしれませんが、何もしない、何もしようともしない、メンタルトレーニングは個人でも意識できる部分かもしれないなと感じました。
また、イップスになった選手はDL(故障者リスト)入りにし、休ませるべきという提言も参考になりました。
この章で紹介されていますが、確かに、日本の野球は「~すべき」「~しなければならない」という固定観念が強すぎる気もします。
指導者はその点配慮していく必要がありますね。
第3章「指導者たちはイップスとどう闘っているのか?」
第3章では指導者たちは実際にイップスをどう防いでいるのか、イップスになってしまった選手にどう対応しているのかが紹介されています。
一番最初に紹介されているのが、「ベースボールコーチングアカデミー」の寺澤恒氏です。
寺澤氏はFacebookで日本野球界のコーチングを変えようと精力的に活動なさっています。
Facebookをやられている方はぜひこちらのグループをご覧になってみてください。
この章の指導者の方々の話を読み解いていくと、旧来の根性論や怒鳴る指導ではイップスから選手を守ることができないと分かってきます。
詳しい取り組みは書籍を読んでいただきたいのですが、指導者が変わらなくてはいけないのだと痛感しました。
第4章「プロ野球選手が語るイップス体験」
第4章はプロ野球選手がイップス体験について語ってくれています。
紹介されているのは、武田翔太投手、小野仁投手、増渕竜義投手、巽真悟投手、中根仁外野手の5人です。
武田投手は現役バリバリの選手ですから、みなさんご存知かと思いますが、武田投手もイップスに苦しんだそうです。
私は知りませんでした。
5人の症状は軽度なものから重度なものまで様々ですが、こうした一線級の選手でもイップスになるという事実は、イップスが単に技術的に未熟だからなってしまうものではないということ、気持ちの問題だけではないということが分かります。
イップスに悩む選手には、ぜひこの章を読んでもらいたいと思います。
第5章「イップスは克服できる」
そして最後の章では実際にイップスをどう克服すべきかがまとめられています。
しかし、イップスを治したい場合、この章だけを見ればいいのかというとそうではありません。
『イップスは治る!』全体を読んでいただければご理解いただけると思うのですが、イップスを治すこと、克服することは容易なことではありません。
むしろ読めば読むほどイップスの怖さが分かることと思います。
書籍を最初から最後までしっかりと目を通していただき、
イップスの怖さを指導者が十分に理解すること、
選手がイップスにならないように予防に力を入れること
この二つが重要だと私は感じました。
以上、簡単ではありますが『イップスは治る!』の書評記事でした。
指導者も選手も、まずは書籍を読み、イップスについて知識を深めてもらえたらと思います。
そしてイップスに陥ってしまっていると感じた場合は、勇気をもって指導者や周囲の大人に相談をし、場合によってはこの書籍で紹介されているような専門機関に連絡をとってみてはいかがでしょうか?
野球界から一人でもイップスに悩む選手が減るように、指導者が努力していかなければいけませんね。
関連記事です。