中学校野球部!絶対に強くなるヒント集

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キャッチャーの肩が弱い場合どうするべきか?「2塁までは行かれてもいいという発想」のすすめ!

キャッチャーの肩が弱い、ピッチャーのクイックが下手…。
そういった理由で2塁までほぼフリーパスというチームも多いですね。
みなさんはそういった場合、どうしますか?
いっそ「2塁までは行かれてもいい」と発想を変えることで上手く回るかもしれませんよ!

 

〇2塁までフリーパス。よくある光景…

高校野球になるとあまり見ませんが、昨今の少年野球や中学野球では、いくらバッテリーががんばっても、ほぼほぼ2塁までフリーパスというチームも多いですね。

昔と違って部員数が現象しているチームが多く、硬式クラブチームならまだしも、中学野球部などではキャッチャーをやれる選手がいないなんてこともあります。

肩が特別強くなくても、チーム事情でキャッチャーをやらなくてはいけないという選手も多く、そういった場合、いくら練習しても2塁で盗塁を刺すことは至難の業になります。

特に新チーム結成直後は、ピッチャーも育っていないことが多く、クイックが遅かったり、牽制が下手だったりすると、ほぼほぼ2塁までフリーパスということになります。

これは近年では特別な例ではなく、新チームが発足したあたりでは多くのチームでこのような現状が見られます。

それでも、指導者の多くは、2塁に進ませまいとして一生懸命に策を練ります。

とにかく牽制を増やしたり、時にウエストしたり、何とか2塁にやらせまいとするのですが、ほとんどうまくいくことはありません。

そうやっているうちに、テンポが悪くなり、守備時間が長くなります。

バッターに集中できなくなり、走られる上に打たれ、大量失点というのがお決まりのパターンになっていきます。

場合によっては、何度目かの盗塁を許した際に

「いい加減にしろ!!」

「何回同じことするんだ!!」

なんていう罵声が飛ぶことも…。

さらにはキャッチャーにひたすら盗塁阻止の練習をさせ、肩が故障するなんてことも…。

 

はっきり言って、キャッチャーの肩が急に良くなることはありません。

ステップや握り替えの練習をすることは悪いことではありませんが、根本的には肩が良くならないと刺せないので、新チーム発足時点でフリーパスだったら、春先くらいまでは勝負にならないと思います。

そんな中でいつまでも2塁に進ませないことに固執しても、選手も指導者も気が滅入るだけです。

そこでおすすめなのが、「2塁までは行かれてもいい」と発想を転換することです。  

 

 

〇「2塁までは行かれてもいい」という発想のメリット!

「2塁までは行かれてもいい」と発想を変えるとたくさんのメリットがあります。

 

①チームで意思統一することで、余計なストレスが無くなる。

…2塁までは盗塁されていいわけですから、バッテリーはかなり気が楽になります。

盗塁されても、周りは「OK」で済みます。

しつこい牽制やウエストも不要になるので、守備は守りやすくなります。

ピッチャーもバッターに専念できるので、コントロールも良くなり、大量失点の可能性が減ります。

結果、全体の雰囲気も良くなります。 

 

②余計な練習に時間を取られなくなる。

…2塁までは行かれてもいいわけですから、無理にキャッチャースローの練習を繰り返す必要もなくなります(身体ができてからやればいいと思います)。

1塁牽制練習の時間も減らして良いでしょう。

その分、3塁には行かれない練習に充てると良いと思います。

具体的には2塁牽制の連携練習や、3塁へのキャッチャーの送球練習、ランナー2塁のバント処理の練習などが挙げられます。

そうすることで結果としては良い方に出ることの方が多いです。 

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↑このあたりが参考になるかもしれません。 

 

③シングルヒットと2塁打が変わらなくなる。

…2塁までは行かれてもいいとなると、シングルヒットを打たれたら2塁打確定となります。

こう書くとデメリットに見えますが、ポジティブに考えれば、

2塁打を打たれてもシングルヒットと変わらないとも言えます。

ということは、ポジショニングも大胆に変えることができます。

内野手も暴投してもしなくても2塁まで行かれるわけですから、「際どい打球で、暴投しそうなときは投げるな!」などと考える必要はなく、どんどんチャレンジできます。

ファーストも送球を身体で止めるとか必要ないです。

外野手も際どいフライやライナーもどんどん挑戦できます。

また、バッテリーも大ケガするのが怖くて外角中心の配球にならずに済み、思い切って内角を突くこともできるようになります(これはピッチャーのコントロールにもよりますが…)。 

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↑ポジショニングについてはこちらをご覧ください。 

 

④バッテリーが無理をして故障することが無くなる。

…盗塁を絶対に許さないとなると、ピッチャーは牽制やクイック、キャッチャーは送球に全力を尽くす必要があります。

特にキャッチャーは力量的にアウトにできないにも関わらず、アウトにしようとするため、無理をして投げてしまうことになってしまいます。

ステップもめちゃくちゃになり、肩だけを使ってしまうことも多くなるので、かなり故障のリスクが高まります。

また、2塁に進塁させないことを目指すと、前述したように、アウトにできるようにするために無理なスローイング練習を強いる指導者もいるので、これまた故障する可能性が出て来ます。

2塁までは行かれてもいいと発想を変えることは、故障も減らすことになります。

正直、このメリットが一番大きいかなと思います。 

このことに関連してこちらの記事もご覧ください。 

www.taguchizu.net

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⑤2塁までは行かれてもいいという思考が、逆にランナーをアウトにすることに繋がる。

…2塁までは行かれてもいいと考えれば、牽制やクイックは基本的にがんばりすぎなくて良くなります。

そうなると、序盤は簡単に走られてしまうと思います(当然、構いません)。

何度か繰り返しているうちに、相手チームは勝手に楽に走れるムードになっていくと思います。

中には牽制が無い、2塁には投げてこない、などと決めつけるチームも出てくることでしょう。

そういう隙が見えてきたら、1塁牽制で刺してしまってください。

隙が出てくれば、目線を使った牽制を使うと、大体刺せます。 

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↑目線を使った牽制はこちらで紹介しています。

ただし、これはあくまでもラッキーくらいのもので、本来の趣旨とは異なります。

ここに固執すると発想を変えた意味がないので注意してください。 

 

〇もちろん、最終的にはアウトを目指す!

ということで、「2塁までは行かれてもいい」と発想を変えることのおすすめでした。

様々なメリットがありますので、ランナーを2塁でアウトにできずに困っているチームでは採用をご検討ください。

ただ、当然将来的には2塁でアウトにできるバッテリー作りを目指して欲しいとは思います。

無理があるスローイング練習はおすすめしませんが、キャッチャーのステップや握り替えを反復練習することは、すぐに結果が出なくとも重要だと思いますし、ピッチャーもクイックや牽制を少しずつ覚えていくべきだと思います。

あくまでも通過点として、こういう発想もあるということでご理解ください。

ただ、個人的には小学生くらいであれば、最後まで無理をさせる必要はないのかななんて思っています。 

※全然別件ですけど、完全フリーパスのチーム相手にひたすら盗塁をしてくるチームってどうなんだろうと思います…。 

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