中学校野球部!絶対に強くなるヒント集

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中学生にマスコットバットは危険!普段よりも少しだけ重いバットを使用するようにしよう!

身体ができていない中学生が重いマスコットバットを使用するのは危険!

マスコットバットでマン振りノルマスイングを繰り返していたら「野球腰」になるかもしれません!

どうしても重いバットで練習をしたい場合は少し重いバットにしましょう!

 

〇いまだに根強いマスコットバット信仰…

マスコットバットで何百回と素振りをしたという経験がある方は多いのではないでしょうか? 

私も中学生や高校生のときに、毎日マスコットバットで素振りをしたのを覚えています。

 

マスコットバットは特殊な練習用具などではなく、ごく一般的に販売されています。

高校野球部なんかを見てみても、マスコットバットが無いという野球部の方が珍しいと思います。

中学野球部でもマスコットバットは普及していますね。

私がこのたび赴任した中学校でもマスコットバットがたくさんあるので驚いてしまいました。

 

マスコットバットで素振りをする効果として、

①スイングをする力がつく。

②マスコットバットを振った後に普通のバットでスイングするとスイングスピードが上がる。

という二つがよく挙げられます。

しかしながら、この二つ目は効果が怪しい部分も多いそうです。

www.baseballgeeks.jp

こちらの記事によると、普段使用するバットよりもあまりに重い(+70%以上)マスコットバットを使用すると、直後のスイングスピードが落ちることが報告されています。

普段、650gほどの軽いバットを使用している場合、1100gを超えるとスイングスピードにも悪影響があるということのようです。

マスコットバットでスイングスピードが上がることがある重さは+10%~30%ほどだそうで、ということは普段650gのバットを使用している選手に適しているのは845gほどまでということになり、一般的に販売されている1000g以上のマスコットバットだと重すぎることになってしまいます。

 

さらに、先の記事によると、このスイングスピードが上がる効果が持続するのはほんの少し。

ただし、このウォームアップ効果はいつまでも持続するわけではなく、1分半程度(投球数に換算すると2、3球程度)で消失してしまう(樋口ら、2013)。打席に入って3球目以降も素振りのウォームアップ効果を期待したい場合は、打席を外して再度素振りを行う必要がある。

https://www.baseballgeeks.jp/batting/打撃前に行う素振りの効果/ より

1分半しかありません。

中学野球では公式戦の際にネクストバッターズサークルでマスコットバットをスイングすることはできませんので、試合前のウォーミングアップでマスコットバットを振っても意味が無いということになります。

 

ということは、マスコットバットを振る効果としては、

①スイングをする力がつく。

のみだと思って構わないのではないでしょうか?

 

 

〇重いマスコットバットは野球腰の危険が…

正直、私は中学生がマスコットバットで素振りやバッティング練習を行うことには批判的です。

以前にもこのような記事を書いています。 

www.taguchizu.net

この時は、ネットニュースやSNSでマスコットバットでのノルマスイングや連続ティーバッティングが取り上げられていたので記事にしたのですが、そうでなくとも中学生にはおすすめできません。

 

中学野球部の選手がマスコットバットを振るのは、高校生がマスコットバットを振るのとはわけが違います。

高校野球で選手が用いているバットの重さは900g以上です。 

高校野球で人気のスカイビートも900gですね。

 

それに対して中学軟式野球のバットは軽いです。 

人気のビヨンドマックスギガキングなんかは730gほどありますが、私のチームでは主軸の数名しか使いこなせず、多くの選手は600g台のバットを使用していました。 

↑このハイパーマッハシリーズは人気がありましたが、これはなんと630g。かなり軽いです。

 

ということは、です。

高校野球 900g → 1000g (11%増)

中学野球 650g → 1000g    (54%増)

こうなるわけです。

全然違いますよね。

※高校野球ではもっと重いマスコットバットを使用していることもありますが、1200gだとしても33%増で、中学生が1000gのマスコットバットを使用するよりも割合は増えません…。

 

そもそも身体の大きさが全然違う上に、中学軟式の場合、普段使用するバットとの重さの差がありすぎるわけです。

これはかなり危険がありそうなことが伝わりますでしょうか?

 

これには、『野球医学の教科書』の馬見塚先生も警鐘を鳴らしていて、

このように、からだに比して重すぎるバットでの練習は、腰椎の障害リスクを増すばかりかパフォーマンスを低下させる可能性があることを指導者には知って欲しいです。まず、いつも使用しているバットで打撃フォームの習得とスイングスピードの向上を達成したあとに、少し重いバットでの練習が望まれます。

『新版 野球医学の教科書』P109より

と著書に記しています。  

新版 「野球医学」の教科書 《The Baseball Medicine》

新版 「野球医学」の教科書 《The Baseball Medicine》

  • 作者:馬見塚 尚孝
  • 発売日: 2019/02/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

高校生であれば、1000gのマスコットバットはいつも使用しているバットよりも少し重いバットにあたるかもしれません。

しかし、中学軟式野球部のほとんどの選手にとってマスコットバットは「少し重いバット」ではなく、「だいぶ重いバット」になってしまうのです。

一生懸命にマスコットバットで素振りを繰り返した結果、野球腰になってしまい、野球ができなくなってしまうなんてことはあってはいけないと思います。

 

 

〇選手を守るのは指導者や保護者!

これだけマスコットバットが広まっていますし、高校生がやっている練習ということで、選手もやりたがるかもしれません。

しかし、中学生のマスコットバット使用にはこれまで述べてきたような弊害があることを指導者や保護者の方にはしっかりと理解していただきたいと思います。

もちろん、選手の身体には個人差がありますから、一概に全ての選手にマスコットバットは良くないとは言えません。

しかしながら、身長150cmそこそこの選手がマスコットバットに「振られてしまっている」ような練習はリスクしかないと思います。

 

どうしても重いバットを使用したい場合はほんの少し重いバットを使用するようにしましょう。

普段650gのバットを使用している選手が、720gのバットを使用して練習をする。

これで約10%増ですから、十分だと思います。

まず一番に守らなくてはいけないのは選手の健康です。

精神論や「〇〇がやっているから」という理由で野球は上手にはなりません。

指導者や保護者の方には選手の健康を守る視点を常に入れて欲しいと思います。

 

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