2アウト2・3塁でバッターにヒットがあまり期待できない場合、みなさんどう攻めますか!?
ホームスチールや2塁ランナーをおとりに使った走塁テクニックを紹介します!
〇0アウト、1アウト2・3塁の場合の攻め方!
0アウト2・3塁の場合みなさんはどう攻めますか?
私はバッターにもよりますが基本的には打たせます。
スクイズの構えで揺さぶることはありますが、エンドランやスクイズをしかけることはよほどのことがない限りありません。
たまに0アウトからスクイズをする指導者もいますが、私はやめておいた方がいいと思います。
展開やバッターにもよりますが、1アウトからでもできる作戦ですし、0アウト2・3塁は相手からすると絶体絶命のピンチです。
ここで失敗すれば相手に流れが傾きかねないですし、成功しても相手は1アウトもらえて助かったと思うケースもあります。
ここは基本はヒッティングでいいと思います。
1アウト2・3塁の場合はどうでしょうか?
この場合はカウントを見てエンドランやスクイズをしかけます。
もちろんバッターによっては打たせることもありますが、しかけやすいアウトカウントではあります。
ただ、1塁が空いているのでウエストしやすいケースでもあるので、初球からというのはオススメしません。
相手の様子を見ながらヒッティングと半々くらいのつもりでサインを出すべきかと思います。
〇2アウト2・3塁ではどう攻めるか?
ではみなさん2アウト2・3塁ではどうですか?
ノーサインのチームが多いですよね。
しかし、ここでもいくつかしかけることができる作戦があります。
もちろん打力のあるバッターは基本的にはヒッティングで良い場面です。
しかし、バッターが下位打線、もしくは投手が素晴らしくてヒットが期待できない場合は次のような作戦が考えられます。
1、セーフティバント
…足の速い選手はセーフティバントをしても良いケースです。
しかし、0アウトや1アウトの場合と違い、サードはベースについていませんので明らかに警戒が少ないと判断した場合に行う作戦と言えます。
2、ホームスチール
…ホームスチールを作戦として行っていないチームも多いのではないでしょうか?
私はホームスチールをけっこう積極的に行います。
ホームスチールはギャンブル性が高く、勇気のいる作戦です。
しかし、その分ホームスチールをやられ慣れているチームも少ないので成功する確率もそこそこあります。
右ピッチャーの場合はボークが狙えます。
私の感覚だと3割くらい成功するイメージです。
さて、下位打線が3割打てるでしょうか?
そう考えるとホームスチールも良い作戦だと思いませんか?
特に2ストライクに追い込まれたら割り切って挑戦しても良いと思います。
3、フェイクスチール
…3塁ランナーではなく、2塁ランナーを動かす作戦もあります。
私は勝手にフェイクスチールと呼んでいます。
2塁ランナーにスタートを切らせ、わざと2塁ランナーを飛び出させます。
それにキャッチャーが反応して投げた瞬間に3塁ランナーがスタートを切る作戦です。
これまた成功率は3割くらいだと思います。
注意点はキャッチャーのスローが低かった場合はピッチャーカットがあるので、その場合はランダウンが始まってからのスタートに切り替えます。
また、キャッチャーが無視を決め込んだ場合はラッキー。
繰り返しましょう。
万が一内野を抜けるヒットが出たら余裕で帰ってこられるからです。
〇健大高崎高校の走塁!
2017年の春のセンバツでは健大高崎高校がこのフェイクスチールと似たプレーで9回裏に同点に追いつき、再試合まで持ち込んでいます。
これは一見するとセカンドランナーの不用意な凡ミスからラッキーで取った1点のように見えるのですが、違う角度から見ると狙ったプレーだということが分かります。
健大高崎vs福井工大福井 9回裏同点の瞬間 健大高崎の機動破壊 ホームスチール 2017年3月26日 阪神甲子園球場 第89回 選抜高等学校野球大会 センバツ
お分かりいただけますでしょうか?
ピッチャーが牽制のモーションに入った瞬間に3塁ランナーがスタートを切っていますよね。
また、2塁ランナーも初めから戻るつもりが無く、挟まれるつもりでいます。
これはおそらくサインプレーではなく、もしも2塁牽制が入るようであれば常に3塁ランナーはスタートを切るということを徹底しているのだと思います(サインプレーでやった可能性も無くはないです)。
2塁ランナーもわざと隙だらけに見せていますよね。
これだけの大舞台でリスクのある作戦を実行するというのは選手も監督も本当にすごいことです。
打たせて負けても誰も責めないですが、これでアウトになったら批判されるでしょうからね。
まさに健大高崎の「機動破壊」が発揮されたシーンだったと思いました。
私も2塁牽制の瞬間に3塁ランナーがスタートを切るプレーはやらせることがありますが、こんな大舞台の最終回で負けている場面でやる自信は無いですね。
こういった健大高崎の走塁はこちらの書籍で知ることができますので、ぜひお読みください。
【追記】
この健大高崎のプレーはサインプレーだったそうです!
以上、ホームスチールもフェイクスチールもギャンブル性の高い作戦ですが、打てる確率が低いのだったら取り組む価値のある作戦です。
隙があるかどうかと3割打てるバッターなのかどうかが判断の分かれ目だと思いますので、まずは練習や練習試合でやってみてはいかがでしょうか?
3塁ランナーのリードについてはこちら。
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