いきなりシートノック、フリーバッティングではなく、もっと細かく指導しないと、技術はなかなか身につかないかもしれませんよ!
(注:分集法→細かく分けて行う方法、全集法→まとめて行う方法)
〇野球の練習は全体で行う全集法が多い!
野球はチームスポーツだからか分かりませんが、野球の練習というと全体でしたがる傾向があります。
たとえばノックやバッティング練習。
他の競技に比べて全体で行う練習の時間が多いと思いませんか?
また、その練習も全集法が多いです。
たとえばシートノック。
他にはフリーバッティング。
これらの練習はどのチームでも行われているのではないでしょうか?
しかし、高校野球などのレベルの高いチームであれば効果はあるでしょうが、あまり上手ではない選手が多い中学校野球部などでは本当に高い効果が得られるのでしょうか?
こちらの記事にも書かせていただきましたが、基礎が十分に身についていない状態でいきなりシートノックをしても、十分な効果は得られません。
よく少年野球や中学校野球部の練習を見ていると、シートノックでエラーをして後ろに逸らしたボールを取りに走る子の姿があります。
そしてそこに「へたくそー!」と飛ぶ指導者の声。
これではなかなか上手になりませんよね。
フリーバッティングもどうように、いきなり速いボールを投げられても上手でない子はほとんど前に飛ばすことはできません。
「10球スイングして、ファールと空振りをして終わる」なんてこともありますよね。
こうした光景は、野球部あるあるなのではないかと思います。
〇他競技ではどうなっているのか?
他の競技を見てみましょう。
陸上競技であれば、分集法的な練習方法が多く用いられます。
ハードルをまたぐ練習。
陸上競技にハードルをまたぐ競技はありません。
ですが、そこで得た身体の使い方が走ることに良い影響を与えるわけです。
テニスであれば、球出しをしてもらってひたすらフォアハンドやバックハンドの練習。
ステップの練習だけすることもあります。
水泳であってもバタ足の練習、息継ぎの練習、上半身だけの練習。
いろんな分集法が用いられています。
その点、野球は遅れているように感じます。
私は高校時代、こんな練習メニューに取り組んでいました。
・全体アップ→全体キャッチボール→バント・ペッパー→全体バッティング→内外野ごとのノック→全体でケースノック
私の母校だけではなく、よくあるパターンではないでしょうか?
上記の練習が悪いとは言いませんが、ほとんどが全体で行う練習な上に全集法の練習が多いです。
効率もあまりよくない上に、細かな身体な動きを確認できる場面がありません。
夏の大会直前に一人ひとりの動作を細かく確認している余裕はなかなかないでしょうから、この練習でも良いでしょうが、新チーム発足して間もない時期であれば、もっと工夫が必要だと感じます。
〇野球の練習に分集法を取り入れてみよう!
全体ではなく、内野と外野に分ける、グループを作るなどして一人ひとりがもっとたくさん打ったり守ったりできるようにする。
ノックやフリーバッティングなどの全集法だけではなく、動作の細かいところを確認できる分集法を取り入れるといったことが必要だと思います。
具体的な守備の分集法練習としては、ゴロ捕球やベース周りの動きだけを徹底して行うベースノックなどがあげられます。
また、もっと基礎からやりたい場合はキャッチボールのステップ練習(意外とできていないチームが多いです)、ボールの握り替え練習、スナップスローの練習、などキャッチボールもさらに細かく分集法で行うことができます。
バッティングの分集法練習としては、個人的には宮川理論のスイング練習がおすすめかなあと思っています。
あとは素振りをもっと細かくして、テイクバックの練習、フォロースルーの練習を行うことも効果的です。
いきなりフリーバッティングではなく、シャトルやテニスボールを使い、ひたすら同じコースを打つこともおすすめです。
シャトル打ちについてはこちらをごらんください。
走塁の場合は、スタート練習、スライディング練習、オーバーラン練習など、細かく分けるといいでしょう。
ベースランニングという形で行うとかなりハードな練習になってしまい、そんなに繰り返しは行えませんが、スタートを切るだけの練習なら容易に20回でも繰り返し行えます。
こういった4ヶ所同時に行う走塁練習は効率もかなり良いです。
こうした分集法練習を行い、身体に動きが染みついていってから全集法に戻る。
また、全集法でうまくいかないことが出てきたら分集法で確認するということが大切なのではないでしょうか。
宮川理論の考え方に「練習は練習」という言葉があります。
ぜひ取り入れてみてください。
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