練習試合は選手を育てるためのもの!
選手を育てる声かけはできていますか?
チームの決まり事を徹底させる良い機会でもありますよ!
〇練習試合の目的とは何か?
以前、公式戦での声かけについてお話ししました。
今回は練習試合での声かけについてお話ししたいと思います。
ちなみに練習試合の種類についてはこちら。
www.taguchizu.net
www.taguchizu.net
まず、練習試合の目的から確認しなくてはいけません。
練習試合は練習と公式戦をつなぐ場になります。
ですから、練習でやっていることが試合という場でもできるのかどんどんチャレンジさせなくてはいけません。
勝ち負けよりも、チャレンジできたかどうかが大切になってきます。
したがって勝った負けたで一喜一憂していてはいけないのが練習試合です。
このあたりは上の記事に詳しく書いてあります。
私は普段の練習でも、「練習は練習」という考えで取り組んでいます。
「練習は練習」とは、私が公認指導員をしている宮川理論の考え方です。
↑詳しくはこちらをご覧ください。
基本的には、練習試合も「練習は練習」の考え方で良いと思います。
〇徹底することを目指す!
もう一度繰り返しますが、練習試合は公式戦とは目的が異なります。
公式戦は勝ちが求められるのに対して、練習試合は成長が求められます。
公式戦で勝つための練習の場が練習試合であり、日々の練習の成果を確認する場になります。
したがって練習で取り組んでいることができるかどうかを確認していかなくてはいけません。
私は選手に常々「徹底することは武器である」と伝えてきました。
私のチームでは以下のことを徹底していました。
①全力疾走
②カバーリング
③フェアプレー
④スピードアップ
練習の段階からこれらのことができるように指導をするのですが、試合の場でできなければ意味はありませんので、練習試合の際に上記のことができなかった場合は指導します。
公式戦では何も言わずともできるようになっていることが理想なので、練習試合ではしつこく指導しても良いと思います。
一度流してしまうと他の選手も見ています。
指導者が一度やると決めたことにぶれてはいけません。
まず指導者が徹底する。
そうするとだんだんとチームに浸透していきます。
指導者の姿勢についてはこちらの記事をぜひご覧ください。
私は選手が何度同じミスをしても、何度でも同じ指導を丁寧にすることを心がけています。
指摘するのをやめたり、いらだったりしていては結局は選手が主体的に徹底できるようにはなりません。
〇選手が成長する指導を!
ときに「厳しく指導する」というのがなかなか難しいですよね。
怒鳴る指導は現在、「言葉の暴力」として扱われていますが、「言葉の暴力」にはならないように厳しい指導をすべきときもあります。
たとえば、キャプテンの子が全力疾走を怠った。
みなさんだったらこの場合どう指導しますか?
私であったら、「全力で走ろうよ!」と叱ると思います。
「ダメだぞ~」なんて軽く流さないです。
しかし、その後、「君が見本を見せなくてどうするんだ!いつもはちゃんとできてるじゃないか!みんな君を信頼してキャプテンに選んだんだぞ。だから叱っているんだ。」とベンチに呼んで伝え、肩をポンと叩き、「次は頼むぞ」と送り出します。
大事なことは指導をしたら、しっかりとフォローを入れるということです。
「何やってるんだ!」だけで終わってしまったら選手は委縮してしまう一方です。
しかし、その後にしっかりとフォローを入れることで、叱られた意味を教え、期待しているということを伝えることができます。
この際、選手みんなに聞こえるように叱った意図を説明するということを私は意識しています。
そうすることで、ただ機嫌が悪くて怒っているわけではないことと、顧問が選手のことを考えて叱っているのだということがチームメイトにも伝わります。
このあたりのことは「部活動の叱り方」にまとめてあります。
ただし、この手法はチームの中心人物や上級生には頻繁に使っても良いかもしれませんが、まだ十分にチームの決まり事を理解できていない控え選手や下級生などの場合は「今のは全力疾走しないとダメだぞ!次は気を付けような!」くらいに留めておきましょう。
というように練習試合では公式戦でチームで徹底したいことをできるようにするための声かけをしていくべきです。
勝ち負けはそこまで重要ではありませんから、どのくらいチームを成長させることができるかを考えて声かけをしましょう。
私は先にあげたことができなかったことはある程度厳しく指導していましたが、顧問の方ごとにその基準は異なるでしょうから、
「これができなかったらダメだぞ」という基準を選手に必ず示して練習試合に臨んでみてください。
何も示さずに、練習試合で初めて言われることで怒鳴られるというのは最悪ですから気を付けてください。
また、技術面でのミスは厳しく叱ってもあまり意味はありません。
よく「ストライク入れろよ!」とか「しっかり取れよ!」と怒鳴っている人を見ますが、そんなことを言っても選手はどうしたら良いか分かりません。
自分が選手として大成した人ほど陥りやすい罠なので気をつけてください。
技術面の場合は技術的なアドバイスを丁寧にしてあげてくださいね。
〇ベンチの選手にも声かけを!
最後にプラスアルファなのですが、初めは試合に出ている選手に声かけをすることで精いっぱいではないかと思います。
しかし、ベンチにいる選手にどのくらい指導できるかもものすごく大切です。
基本的にはベンチにいる選手のほうが能力的に低く、野球も知らないと思いますので、顧問はベンチの選手に解説ができるとベンチの選手も伸びます。
たとえばセンターフライをセンターの子が一歩目のスタートが良く捕ったとします。
「今のはナイスプレーだよね。ピッチャーの投球に合わせて毎回しっかりと構えて準備をしていたから彼は捕れたんだよ。あとライトもしっかりカバーに入っていたよね。」
と良いところを解説してあげると試合に出ていなくとも知識は増えていき、自分のプレーにつなげることができます。
また、質問を投げかけることも良いと思います。
「今のセンターフライはなんで捕れたんだと思う?」
などと選手に考えさせることも有効です。
戦術面でも試合経験が少ない選手は出場した際にミスをしやすいので、戦術面の解説もしてあげるとなお良いと思います。
「今のは盗塁のサインだったけれど、○○はキャッチャーの様子を見て、ディレードスチールにしたね。そういうところ参考にしていこう。」
といった感じです。
以上、練習試合の声かけでした。
特にベンチの子に声をかけるということは忘れがちなのでぜひ取り組んでみてください。
関連記事です!