前作『機動破壊』が爆発的にヒット!
大ヒットが期待される続編『機動破壊の秘策』が発売!!
走塁面のみならず、攻撃や守備の秘策が惜しげもなくまとめられた良著です!!
〇『機動破壊』とは?
「機動破壊」とは群馬県の強豪、健大高崎高校が掲げたスローガンで、いわゆる走塁革命を指します。
今までの高校野球の常識では考えられないような超攻撃的な走塁が「機動破壊」で群馬県大会や甲子園で盗塁記録を作るなど、ライバル校に脅威を与えました。
あまりの機動力に警戒しすぎて自滅してしまうバッテリーも多く、走らずとも勝つような場面すらありました。
その「機動破壊」の健大高崎高校をスポーツライターの田尻賢誉氏が徹底取材を行い、ここまで明らかにしていいのかというくらい詳しくまとめた書籍が前作『機動破壊 健大高崎 勝つための走塁・盗塁93の秘策』です。
話題を呼び、かなり売れたそうです。
私も読み、記事を書かせてもらいました。
走塁を考える上ではもはや欠かすことのできない一冊と言っていいくらいのすばらしい出来の著作でした。
〇『機動破壊の秘策 健大高崎 実戦で使える走攻守96の究極プレー 』発売!
そして、その『機動破壊』から約2年。
続編とも言える『機動破壊の秘策 健大高崎 実戦で使える走攻守96の究極プレー 』が2017年3月に発売になりました。
前作が「機動破壊」の走塁面に特化した著作でしたが、今回は「機動破壊」の産みの親と言われる健大高崎高校のスーパーバイザー(要するにコーチですかね?)である葛原氏にインタビューし、走塁のみならず、攻撃面や守備面の秘策をまとめたものになります。
タイトルが「実践で使える走攻守96の究極プレー」というだいぶおおげさなことになっていますが、「ここまで徹底してやるのか!!」という内容ばかりなので、究極かは分かりませんがとにかく勉強になることが多いのは間違いありません。
では、次の項で具体的に紹介していきましょう。
〇「実践で使える走攻守96の究極プレー」を一部紹介!
【走塁面】
・ホームスチールの細かなテクニック!
…ホームスチールだけで4項目11Pも紙面を割いているだけですごいと思うのですが、中身もすごいです。
「ホームスチールのときのバッターのスタンス」とかそんな細かいところまで指導したことは無かったですし、敬遠時のホームスチールなんてのもおもしろいです。
2アウトではなく、相手がホームスチールは無いと思っている1アウトで敢えて決行するなど、まさに「常識破り」な考えだらけです。
・3塁打が確定の当たりでホームを狙う!
…これは私もよく指導するのですが、2塁打や3塁打が確定の当たりの場合、内野手は歩いてボールを運んできたり、山なりで返球したりするんですよね。
そこを狙って一気に先の塁まで行ってしまおうというのがこの項です。
具体例なんかも乗っていて分かりやすいですし、すぐに取り入れられると思います。
【攻撃面】
・ヒットエンドランのタブー!
…ヒットエンドランをやってはいけない場面について葛原氏が解説してくれています。
正直、私もヒットエンドランを絶対にしてはいけない場面については考えたことが無かったので、非常に参考になりました。
ちなみに葛原氏が述べる「最悪のエンドラン」は0アウト1・3塁、カウント3-2。
なぜなのかはぜひ書籍で確認してみてください。
・1・3塁のファウルフライダブルタッチアップ!
…これは本当に細かい。
確かによく考えると恐ろしい作戦なんですよね。
たとえばファースト後方のフライで1塁ランナーがタッチアップした場合、ファーストがセカンドに投げると3塁ランナーはほぼセーフなんですよね。
サード後方でも同じ。
なるほどと思わされました。
ただ、このケースで失点を防ぐ方法もしっかりと書かれていますので安心してください!
【守備編】
・いろんな種類のピックオフプレー!
こんなにピックオフプレーについて触れてある書籍はなかなか無いと思います。
そのくらい細かくいろんなピックオフプレーについて触れてくれています。
ピックオフプレーはたくさん練習すべきだと思います。
試合で使うかどうかは別にして、ピックオフプレーを練習することで、自分たちが攻撃側だった場合の対策も分かるようになります。
野球脳も鍛えられるので、試合に使わずとも練習しておきましょう。
私もピックオフプレーの記事を書いています。
この他、守備面ではシフトについての話や配球についての話がかなり詳しく掲載されています。
〇 『機動破壊の秘策 健大高崎 実戦で使える走攻守96の究極プレー 』の感想!
正直に言うと、前作に続いての「走塁特化」本だと思っていたので少し予想と違っていてショックでした。
どちらかというと「機動破壊」本、「健大高崎」本ではなく、葛原氏の野球理論をまとめた書籍ですね。
しかし、役に立たないかというとそういうことではなく、走攻守全てにおいて細かい部分に行き届いた良著だと思います。
入門書ではありませんので、ある程度指導の基本が分かっている方のステップアップのための本だと思っていただけたらと思います。
まだ前作の『機動破壊』をお読みではない場合はまずはそちらを読むことをおすすめします。
↑こちらです。
ここから、もろに個人的な感想になるのですが、『機動破壊』を読んだときよりもなんだかしっくりこなかったんですよね。
「実戦で使える走攻守96の究極プレー 」が時々、巧さと狡さの境界線に感じることがあったからだと思うんです。
たとえば、ランダウンプレーの際にランナーが倒れ込むプレーが何回か紹介されているのですが、これは私はやりたくないんです。
そんなことを言ったら以前私が紹介した「偽装スタート」も狡いのでは?
なんででしょうかね?
こっちはセーフに感じるんですよね。
このあたりは自分でもうまく説明できず申し訳ありません。
みなさんの感想もお聞かせいただけたらと思います。
健大高崎を取材した本やDVDには以下の物もあります。
2018年3月には第3作が発売になりました!
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