中学校野球部!絶対に強くなるヒント集

中学野球や部活動の経営をしている方々のお役に立てるように、野球技術のみではなく、組織づくりのことなど、野球部の経営に役立つ情報をどんどん発信していきます。また、野球小僧を育てたい親御さんに役立つ情報も掲載していきます。宮川理論の元公認指導員です。

球数制限の議論の行方!選手の健康を一番に考え、球数制限を採用すべきだ!

球数制限の議論が進む!

果たして議論の終着点はどうなるのか!?

球数制限はどうするべきなのか考察しました!

 

〇高野連有識者会議の見解!

2018年に金足農業の吉田投手(現日本ハム)が800球を超える熱投で準優勝して以来、球数制限をめぐる議論が少しずつ進んできました。 

www.taguchizu.net

↑昨年、私もこんな記事を書いています。 

 

過去にも済美高校の安楽投手(現楽天)が同じように熱投した際などにも、時々話題にはなっていましたが、ここまでメディアで取り上げられ、議論が継続されたことはなかったように思います。

高野連も重い腰を上げ、有識者会議を開催しています。

その有識者会議では、球数制限の一案として一定期間での球数制限。

たとえば一週間程度で500球となどという案が示されたようです。

www.sankei.com

※第二回有識者会議の議事録についてはこちらで詳しく見ることができますので、ぜひご覧ください。

http://www.jhbf.or.jp/topics/info/data/20190703_1.pdf#search=%27%E7%90%83%E6%95%B0%E5%88%B6%E9%99%90+%E4%B8%80%E9%80%B1%E9%96%93%E3%81%A7%EF%BC%95%EF%BC%90%EF%BC%90%E7%90%83%27

 

これが普段の一週間のリズムの中でなら、まあ許容範囲かなとも思います。

たとえば月曜日から金曜日の平日練習で300球。土日の練習試合で200球。

ただし、ブルペンでの投球練習やイニング間の練習、強度の高いキャッチボールも含んだ数であればです(それでも多い気はします)。

しかし、この「一週間で500球」は甲子園の試合で投げる投球数のみが対象です。

多くの高校は一戦必勝で来るでしょうから、3日で500球に達することもあるでしょう。

金足農業もぶっちゃけ最初から決勝まで行けるとは思ってなかったと思います。

一戦必勝の結果、決勝まで行けたのでしょう。

ということは多くの高校は「一週間で500球」なんて気にせずにこれまで通りエースに頼ることでしょうね。

150球完投、150球完投、150球完投でもベスト8までいけるという…。

しかも組み合わせによっては初戦から一週間が経つので準決勝でまた150球投げさせられますね。

また、1試合での制限が無いので、極端な話、延長戦までもつれて300球完投なんてこともできてしまいます。

試合の中で300球投げたら、投球練習なんかも含めると400球を超えますよね。

要するにあまり意味ないです。

しかも、かなり多い投球数で、ケガの危険が高いという一体何がしたいのか全然分かりません。

www.asahi.com

試しにこの数字を使って、過去の全国選手権大会を考えてみる。昨夏の第100回記念大会で準優勝した金足農(秋田)は、エースの吉田輝星(日本ハム)が決勝までの全6試合に登板。決勝以外は1人で投げ切り、総投球数は881球に及んだ。
 吉田が2回戦から1週間で投じたのは、592球。2―1で競り勝った準決勝の途中で500球に届いてしまう。98年の横浜・松坂大輔(中日)も、2006年の早稲田実・斎藤佑樹(日本ハム)も、優勝にたどり着く前に1週間500球に届く計算だ。この数字がルール化されたとしたら、いずれも交代しなければならなかった。
 1試合ではなく、複数試合の総投球数を考えるようになったのは、「現場の自由度が高く、投げたいという投手の気持ちも尊重できるから」(中島座長)だ。1試合単位での制限は投手の少ない少人数の学校や公立校に不利になるのでは、と指摘する声もあったが、これならまだ理解を得やすい。複数投手育成の後押しにもなるだろう。
 ただ、正富委員は「この1週間500球という数字にエビデンス(根拠)はない。この際、エビデンスとなるデータを蓄積したい」とも言う。制限の方向性は決まった。具体的な議論はこれから本格化する。負担軽減策では大会日程の緩和を求める意見もある。あわせて、考えていかなければならない。

https://www.sankei.com/sports/news/190607/spo1906070030-n1.html より

こちらの記事に書かれていますが、吉田投手でも準決勝途中まで投げられてしまうんですよね。

この記事では決勝まで投げることができないというニュアンスで書かれていますが、私は逆に、連投させても準決勝途中まで投げることができてしまうではないかと感じてしまいました。 

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〇球数制限、西本氏の意見!

球数制限については西本氏も意見を述べています。 

www.nikkansports.com

(1)金属バットの反発係数の制御 すでにアメリカのアマチュア野球で実践しています。州によっては木製バットを使用するそうですが、打球が飛びすぎないように金属バットの反発係数を抑えれば、それだけヒットは減ります。打たれる確率が減れば、球数も減るでしょう。

(2)ボークなどの規制緩和 すでにプロ野球界では実践されてきています。国際大会が増え、日本と諸外国のボーク規定が違いすぎるからです。皆さんも日本にきたばかりの新外国人投手がボークを取られ、不満そうな顔をする姿をみたことがあるでしょう。ボークの規定が緩い国際試合で、日本の走者がけん制球でアウトになる光景も多くあります。日本はボークの規定に厳格すぎ、国際試合で日本の審判がいると「あまりボークを厳しくしないでほしい」と言われるそうです。投手の立場で言えば、もっと自由に投げられれば、当然、球数も減るでしょう。

(3)指導者のレベル向上 この部分は、プロアマ問題とリンクします。現在ではプロ側が学生野球資格回復制度研修会をクリアすれば、高校生以上のアマチュア選手を指導していいことになっています。しかしプロとアマ双方が歩み寄ってはいますが、まだまだ溝は埋まりきっていない現状です。日本最高峰でプレーした選手が、アマチュアを自由に指導できないルールそのものがおかしいと思います。もちろんプロ出身者が全員、いい指導ができるとは限りませんが、技術向上の確率は間違いなく上がるでしょう。そうすればケガのリスクが少ないフォームを教えられる可能性も高まります。プロの世界を知っていれば、将来性のある選手の起用法も制御してくれるのではないでしょうか。

https://www.nikkansports.com/baseball/column/baseballcountry/news/201906190000274.html より

なんだか球数制限に関する元プロ野球選手の意見の中で一番まともで論理的に感じました。

特に低反発バットを導入することが球数制限に繋がるという意見はなるほどと思いました。

木製バットだと金銭的にかなり厳しいチームも出てくるので、低反発金属バットがいいと思います。

ただ、個人的には小学生や中学生での導入には反対です。

身体が小さな選手は下手したら内野の定位置くらいまでしか飛ばなくなってしまいます。

それでは野球は楽しくないでしょう。

複合バットの禁止くらいに留めた方が良いのではないでしょうか?

※ただ、この話は球数制限とは関係がないのでまた今度…。

 

〇壊れた選手の声!

なかなか壊れた投手の声を聞くことができるチャンスはありません。

これは球数制限に関するぜひ読んでいただきたい記事です。

number.bunshun.jp

千葉のように苦しんでいる選手が実際にいて、そうした小さな声に耳を傾けることが、必要なのではないだろうか。
「試合で投げている自分はいつも痛みと戦っているだけで、バッターと対戦していると実感したことはなかった。いつも我慢しているだけで、だから……投げていても、全然楽しくない。本当に楽しめたのは、高校1年の秋が最後でしょうか。僕のようになってほしくないですね」

https://number.bunshun.jp/articles/-/839721?page=4 より

実はこの千葉選手がスローボールしか投げることができなかった試合は甲子園で生観戦していました。

観ているこちらも痛々しく感じ、球場が異様な雰囲気だったことを覚えています。

こうした選手を生まないような野球界にしていきたいですね。

よく「まずは正しい投げ方の指導が先」という話も聞きますが、この記事に出てくるような強豪校でも正しい投げ方の指導ができていないものなのでしょうか?

もちろんできていない可能性もありますが、強豪校の方が平均的な指導力は高いと考えて間違いないと思います。

そんな強豪校からも故障者がたくさん出ているわけですから、正しい投げ方の指導を目指しつつも、球数制限は導入すべきだと私は考えています。

そもそも正しい投げ方の解釈、ケガをしないフォームの解釈が人それぞれ異なるはずですし…。

 

〇複数投手を作る努力!

私がいつも参考にさせていただいている広尾氏の記事です。 

baseballstats2011.jp

「高校野球はエースが投げて勝つものだ」という固定概念があるから複数投手づくりができないだけで、複数の投手がいるのが当たり前になれば、弱小チームでも、連合チームでも可能なはずだ。

日本では「投手」が一番いいポジションだが、ドミニカ共和国などでは遊撃手が花形だ。プエルトリコは捕手。そういう国では、人気がない投手は野手が変わりばんこにつとめることもあるという。

「球数制限をします」と通達があれば、どんな弱小チームでも、投手を複数作ろうとするはずだ。何の問題もないと思うが。

http://baseballstats2011.jp/archives/55504029.html?fbclid=IwAR0eL1XheKHvYsVxRb7_T-YPj81APNQSAJfPbR7jIjmiiFyPOj8PC_vZMQQ より

スーパーピッチャーを育てるのが簡単かと言われたら、難しいです。

ただ、試合を作れる投手を複数作る努力はできます。

広尾氏がおっしゃるように、その努力はどこのチームでもできるはずです。

それをスーパーピッチャーと心中してまで勝利を目指すことが前提になるから意味分からない議論になるのだと思います。

私のチームでは全員にピッチャー挑戦させています。 

www.taguchizu.net

2019年度のチームでは3学年で21名いますが、練習試合で投げられるレベルであれば16名。

公式戦で投げたことのある選手は8名います。

要は育てる気があるのかどうかだと思います。

 

複数投手については大利氏の著作が非常に参考になります。 

高校野球継投論

高校野球継投論

 

ぜひご一読ください。

 

〇個人的な見解まとめ!

ここまで球数制限をめぐるいろいろな方の意見を見てきましたが、個人的な見解をまとめたいと思います。

①一定期間の総量規制ではなく、1ゲームの球数制限もしくはイニング制限は必要。

②大会日程ももっと余裕をもつべき。それが難しいようであれば連投制限もあった方が良い。

③上記の制限は高校野球のみならず、少年野球段階から必要。

と考えています。

 

多くの方が述べていますが、球数制限には様々な問題点も無くはないです。

たとえば、待球作戦を行うチームが現れるかもしれない。

個人差や投球強度については考えられていない。

球数よりも故障しにくいフォーム作りが重要だが、それが後回しになる可能性がある。

などなど…。

 

ですから本当は、球数制限は不要だと思います。

球数制限など無くても指導者が選手の健康を第一に考えて練習や試合に臨み、正しいフォームの指導ができるのであれば球数制限など不要なのです。

しかし、多くの指導者がそれをできてこなかったのです。

私だって、選手を故障しにくい投球フォームを身に着けさせることができているのかと聞かれたら、自信をもって「イエス」とは言えません。

実績のある指導者ほど上記の理由で反対している気がしますが、これまでのやり方では選手の健康を守れなかったのですから、甘んじて球数制限を受け入れるしかないと思っています。

 


さて、みなさんはどう考えますか?
今後議論はさらに深まっていくことになると思いますが、まずは自分の意見をもつところから始めてみてはいかがでしょうか? 

球数制限

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↑こちらの書籍、おすすめです。

 

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