中学校野球部!絶対に強くなるヒント集

中学野球や部活動の経営をしている方々のお役に立てるように、野球技術のみではなく、組織づくりのことなど、野球部の経営に役立つ情報をどんどん発信していきます。また、野球小僧を育てたい親御さんに役立つ情報も掲載していきます。宮川理論の元公認指導員です。

『部活はそんなに悪者なのか!?』から部活動問題を再び考える!

猿橋先生の『部活はそんなに悪者なのか!?』が発売!

部活動問題について考える上で非常に参考になる書籍でした!

この書籍を参考に、再び部活動問題について考えをまとめていきます!

 

〇『部活はそんなに悪者なのか!?』が発売! 

部活はそんなに悪者なのか! ? 脱ブラック部活!  現役教師の挑戦

部活はそんなに悪者なのか! ? 脱ブラック部活! 現役教師の挑戦

 

『部活はそんなに悪者なのか!?』目次

第1章 部活動の教育的効果

第2章 部活動はブラックなのか?

第3章 令和時代の部活組織論

第4章 主体性、知性を育むコーチング

第5章 希望に向かう教育

『部活はそんなに悪者なのか!?』目次より

楽しみにしていた猿橋先生の書籍、あっという間に読みました。

読みやすく、おもしろく、部活動問題を考えている私にとってピッタリの書籍でした。

また、野球部経営で参考になることも多々ありました。

こちらの書籍を読めば、「適切な指導」が行われれば部活動の教育的効果は高く、その部分ではブラック足り得ないと分かります。

この点は私も全く異論ありませんし、部活動反対派の方々も理解できる部分だと思います。

猿橋先生のさまざまな指導の工夫は野球部だけではなく、教育に携わる方々に参考になると思います。

おすすめの書籍ですので、ぜひ読んでいただけたらと思います。

 

 

〇部活動問題の争点!

私はだいぶ前から部活動問題について考えています。 

www.taguchizu.net

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部活動問題に関わる記事もたくさん書かせていただいていますが、古いものが多く、今読み返すとだいぶつっこみどころ満載です。

部活動問題について考えるために、様々な書籍も読ませていただきましたが、部活動問題で語られる主な争点は二つのブラックさです。

①部活動で行われる理不尽な指導および多すぎる活動時間。

②部活動に関わる教員の時間的にも量的にも多すぎる負担。

①は生徒が負担に感じるブラック部活動。

②は教員が負担に感じるブラック部活動と言えるでしょう。

部活動問題を解決するためには、この二つの点を同時に考えていかなくてはいけません。

『部活はそんなに悪者なのか!?』でも①の生徒が負担に感じるブラック部活動については否定されており、そうならない指導の在り方についてたくさんの提言がなされています。

私個人も①に関しては、まだまだ残るものの、近年少しずつ改善されてきているのではと感じています。

 

ただ、全ての部活動に求めることができるのかと言うと疑問は残ります。

この猿橋先生のように「適切な指導」を全部活で行えるのかということです。

これにはもちろん指導技術的な問題もあります。

猿橋先生も丁寧に触れていますし、猿橋先生以外でも多くの方が「コーチング」の重要性を発信しています。

従来の部活動指導の多くは、頂点に教員が位置し、徹底的に管理を行うというコーチングとは真逆の手法がとられてきました。

もちろんこうした手法も簡単なわけではありませんが、コーチングの方がもっと難しいですし、かなりの勉強が必要になってきます。

部活動を受け持たなくとも、コーチングの手法は教育に必要なものになるので勉強して欲しいところですが、全員が全員うまくできるわけではないと言えます。

 

もっと問題なのは、指導技術的にどうこうではなく、そもそも「適切な指導」を行う気があるのかという問題です。

「猿橋先生が否定しているような指導=顧問による絶対支配、徹底的な管理教育」を絶対正義として行っている指導者はまだまだ多いのです。

そんな方々にはこちらの書籍の猿橋先生のアドバイスも残念ながら響かないかもしれません。

 

この①の生徒が負担に感じるブラック部活動問題については教員側が変わるしかない部分が大きいと言えるでしょう。

 

 

〇残る課題をどう解決していくのか?

先に部活動問題の争点は、

①部活動で行われる理不尽な指導および多すぎる活動時間。

②部活動に関わる教員の時間的にも量的にも多すぎる負担。

とお話ししましたが、『部活はそんなに悪者なのか!?』であまり触れられておらず、かつ現場での解決がまだまだ進んでいないのは、②の教員が感じる負担の方です。

 

自分自身が経験がないだとか、やりたくもない部活動をもたされたときに、それでも教員が「適切な指導」をできるのか、やれるのかという点。

猿橋先生も少しだけ触れていますが、ここがすごく難しいところになります。

仕事としてしっかりとした対価が支払われるのであればそれはやらなければいけないし、求めて良いと思いますが、現状そうではありません。

曖昧な位置づけのまま、ほぼボランティアで教員の厚意に甘えている状況です。

それでも強いること、「適切な指導」を期待することはできるのでしょうか?

先に述べましたが、主にコーチングの手法を用いて健全な部活動運営をしていくことは非常に難しいことです。

かなりの勉強と実践が必要になりますし、こうした部活動運営は、管理教育よりも時間がかかると感じています。

教科指導や学級指導だけで精一杯な教員も多い中、これを全ての教員に強いることはできるのでしょうか?

このように、勤務の点のブラックさは残念ながら残ります。

猿橋先生もいくつか提案なさっていますが、ご自身で述べられているように予算について考慮されていないので実現が厳しいと思われます。

 

教育公務員なのだからやるのが当たり前だとおっしゃる方も根強くいます。

ただ、何度も書きますが、部活動は現状明確に仕事と位置づけられていません。

そして、超勤4項目という教員の残業の一つにすら入っていない現状なのです。

超勤4項目についてはご存知ない方も多い(教員でさえ)と思いますので引用いたします。

公立学校の教員に時間外勤務を命じることができる場合は,「公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合等の基準を定める政令」により規定されている。その基準については,▽実習,▽学校行事,▽職員会議,▽非常災害などに必要な業務の4つで,これがいわゆる「超勤4項目」である。また,これらはいずれも無条件に命じられるのではなく,臨時または緊急のやむを得ない必要があるときに限るものとされている。
近年の勤務実態調査による教職員の多量な超過勤務は,その大部分が上司からの命令ではなく,教職員本人の自主的な行動によるものであることが問題だとされている。命令に基づかずに業務に従事しているために,法的にも責任の所在が曖昧となり,学校として対応がとりづらい状況ともなっている。

https://touken.tokyo-shoseki.co.jp/mobile/index.php?action=detail&id=327 より

この4項目に入っていないため、残業代は出ないのにも関わらず、ほとんど毎日のように残業が決定的な仕事ではないものが部活動なのです。

 

もともと私はそれでも子どものためを考えれば、部活動は一生懸命に指導しなければいけないのだと考えていました。

しかし、部活動の負担が大きく、部活動やりたい派の教員からプレッシャーをかけられ、もはや授業どころではなくなってしまった教員を何人も知っています。

人生が狂った教員もたくさん見てきました。

私もいっとき、バドミントン部をもつことになり、情熱をもって一生懸命に取り組んだ経験もあります。

自分で言うのもなんですが、教育的効果の高い良い部活動経営ができていたと思います。

 

しかし、倒れました。

あと少しで文字通り死ぬところでした。

 

不慣れなこと、好きではないこと(一生懸命に好きになろうとしましたが)に半端ではない時間を費やすということは心身ともに本当に大変なことなのです。

私はこの経験から今後野球部以外の部活動は断ると思います。

だから他の先生に、専門でないこと、苦手やことでもがんばれなんて言えません。

正直、大好きな野球部を見ることができている現在は特に部活動の時間は苦痛ではありません。

バドミントン部を見ていたときに比べると、同じ勤務時間であっても放課後の残業時間は趣味の時間みたいなものです。

 

「部活動は教育的効果が高い!だから教員は無給であってもやらなくてはいけないんだ!」

とおっしゃっている方の9割くらいが好きな部活動、もしくは好きになった部活動を持てている方です。

現在大好きな野球部を見ることができている先生が、もしも熱心な保護者ばかりな上に、全く未経験の吹奏楽部の主顧問になったらどうですか?

どうぞやってみてください。

地獄に感じると思います。

部活動の時間になってもなかなか職員室から動かない教員の気持ちが分かってくると思います。

 

「私だって○年間○○部の顧問で我慢してやってきた!(だから…)」

と言う方もいらっしゃいます。

ではたとえばバレエが専門で、いつまで我慢しようが専門競技に携われる可能性が無い人は定年まで未経験競技の研鑽をし続け、生徒のために、保護者のために勤務時間外にも尽くし続けなくてはいけないのでしょうか?

専門競技がない人はそもそも教員になるべきでないと言いますか?

 

私は部活動大好き人間です。

ですから部活動反対派、部活動に苦痛を感じている方のことを真剣に考えなくてはいけないと思っています。

もっともっと知恵をひねりたいと考えていかなくてはと考えています。

当ブログを読んでくださる方の多くは野球が大好きな方だと思います。

そういった方々にもぜひ部活動の在り方を再び考えてもらえたらと思って今回の記事を書きました。

再び考えるきっかけを与えてくださった猿橋先生と大利さん、すばらしい書籍をありがとうございました。

 

 

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