中学校野球部!絶対に強くなるヒント集

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続・先攻と後攻どちらが勝率が高いのか合計15年分以上、徹底的に調べてみた!結果は!?

先攻と後攻どちらが有利なのか考えたことはありますか?

東京都中体連の試合を15年分以上徹底調査しました!

また、タイブレーク勝率についても調査!

先攻・後攻どちらが有利なのか考えてみましょう!

 

〇野球界の永遠のテーマ、先攻後攻どちらが有利か?

以前このような記事を書きました。

www.taguchizu.net

 

で、先の記事は個人の意見であって、エビデンスが無かったので、さらに検証記事を書きました。

www.taguchizu.net

こちらの結論としては、中体連野球部の大会での結果は後攻の勝率が5割2分ほどで、やや後攻が有利と言えるということでした。

その他のカテゴリーでも後攻が優勢という結果が出ております。

詳しくは記事をご覧ください。

 

しかしながら、2018年から軟式球が変わりました。

www.taguchizu.net

また、その頃からMLBのフライボール革命の影響もあると思いますが、軟式野球、いや野球界のバッティング指導が変わってきて、軟式野球もロースコアの試合ばかりではなくなってきました。

www.taguchizu.net

 

私が試合をしていても、また見ていても、以前とは異なり、長打、場合によってはホームランで決着がつくこともあり、明らかに傾向が変わってきていると感じます。

そこで、今回は、近年、特にM号球にボールが変わってから先攻と後攻どちらが有利か傾向は変わったのかどうか検証していきたいと思います。

ctr-tokyo-baseball.com

参考にさせていただくのは、毎度おなじみの東京都中体連野球部のHPです。

こちらは過去10年以上の東京都大会のイニングスコアが分かる非常に助かるサイトになっております。

こちらを参考に、先攻と後攻どちらが勝利しているのかをひたすら調べました。

また、せっかくなので、今回はタイブレークでどちらが勝利しているかも調べました。

 

www.taguchizu.net

タイブレークは高校野球でも導入されており、高校野球関係者の方にも参考になるかもしれません。

それではさっそく結果を見ていきましょう。

 

〇調査結果、先攻と後攻どちらが勝利しているか?

H18~R5の16年間で

先攻832勝 後攻902勝

で後攻が勝率.520となりました。

これは前回調査したH18~H29とほぼ変わらず、相変わらず後攻がやや優勢(=有利ではない。後述します。)となっております。

 

では、M号球に変更になったH30秋大会~R5秋大会の結果を見てみます。

先攻233勝 後攻261勝

でこれまた後攻が勝率.528となっており、後攻優勢は変わりません。

これだけ母数があるので、

「軟式球が変更になっても、また、バッティング指導が変わっても引き続き後攻が優勢な傾向は変わらない」

と考えて良いのではないでしょうか。

さらに、前回の記事に書きましたが、高校野球やプロ野球でも後攻の勝率は.530ほどとなっていまして、今回のこの結果から、中学野球でも後攻の方がやや優勢であると言って問題ないと思われます。

 

ただし、この解釈については注意が必要です。

これまた前回の記事に書きましたが、

プロ野球の場合、年間試合の半分ずつ先攻と後攻を行うので、機会は平等なのですが、ホーム&アウェイのバイアスがかかってしまうので、これをもって後攻が有利とは言えないと思います。 

特に「(1-6)実際、コールドになると後攻勝率は全試合の統計に比べて高い
これを見れば強豪校が後攻に回る傾向があるのは明白だ」とあるように、強豪校ほど後攻を選びやすい傾向があるのは私も調査していて感じました。

要するに、ホームの利があるプロ野球を除き、後攻の勝率が若干高いのは、そもそも強いチームほど後攻を多く選択しているからであって、後攻が有利だからでは無いということなのです。

前回の記事より

結果として後攻勝率は高いのですが、格上のチームが後攻を選ぶことが多く、野球が後攻有利なスポーツであるとは言えないということです。

これが一番分かりやすく表しているのは、先攻と後攻が均等に機会がある大学野球のリーグ戦で2連勝が多いことです。

また、実は今回、こんなこともあろうかと思い、東京都を代表する上一色中学と駿台学園中学の先攻、後攻の結果も調べています。

 

H29~R5の期間

上一色中学 先攻14回選択 後攻40回選択

駿台学園 先攻25回選択 後攻21回選択

となっており、駿台学園中はその代の投手力・守備力によって先攻と後攻を選択しているように感じましたが、上一色中は明らかに後攻に偏っており、じゃんけんに負けて後攻を取られた場合以外はほぼ後攻を選択しているようです。

そして、実は上一色中の結果を除くと先攻と後攻の勝率はほぼ5割で拮抗することになり、野球というスポーツにおいて、

「先攻と後攻はどちらも勝つ確率はほぼ等しい」

と考えて良いのではないでしょうか?

 

〇タイブレークではどうなっているか?

ただし、ことタイブレークとなると勝率に大きな開きが出ました。

私が今回調査したH29~R5の期間にタイブレークまでもつれた試合は34試合ありました。

先攻24勝 後攻10勝

で圧倒的に先攻が多く勝利していました。

勝率は.706です。

正直、母数が少ないため、もっともっと多くのサンプルが無ければ結論づけることはできないとは思いますが、確かに体感でも先攻の方が優勢な気がしています。

 

タイブレークでなぜ先攻が多く勝っているか、私なりの考察を述べたいと思います。

1、攻撃面で言えば、先攻の場合、1点でも多く点を取ることに集中でき、戦術が狭まらない。後攻は表にした失点以上の点を得る必要があるため、戦術が狭まる。

2、守備面で言えば、後攻は何点まで失点して良いのかが分からない。先攻は表の得点に応じた守備体形を取ることができる。

3、タイブレークにもつれる試合は大抵の場合、ロースコアである。タイブレークは失点の可能性が高いケースから始まるにも関わらず、表の失点が均衡が破れたような錯覚に陥ってしまう。

 

この3点の理由が大きいのではないかと考えています。

もう少し詳しく解説すると、当然ですが、0アウト1・2塁から得点するために、各チーム様々な戦術を駆使してきます。

www.taguchizu.net

↑私もこんな記事を書いています。

たとえば、先攻であれば、最初のバッターにバントをさせるという選択肢があります(それが正解とは言ってない)

ですが、後攻の場合、表に4失点してしまったら、もうバントやその後のスクイズはやりづらいですよね。

実際はバントやスクイズをして、ミスがあっての4点なんてこともあり得るわけなのですが、戦術としては狭まってしまうわけです。

守備側としては、表の守備(後攻)は何失点まで許されるのかが分かりません。

最少失点(あわよくば無失点)で抑える必要があります。

そうなると、バントは可能であればサードでアウトを取りたいですし、ランナー3塁になったら前進守備を採用することが増えます。

みなさんご経験あるかもしれませんが、それが逆に大量失点につながることもあるわけです。

逆に裏の守備(先攻)はやることがシンプルです。

表の得点以上に失点しないようなシフトを取るだけです。

たとえば2点取ることができたのであれば、すでにいるランナーは返してしまっても構いません。

無理にバントをサードでアウトを狙う必要はないですし、前進守備も要りません。

表で1点も取れなければ、1点もやれない守備をすればいいだけです(勝てるとは言っていない)

このように、タイブレークだと先攻は1点でも多く取って、得点以上に失点しないことを目指せばよくなります。

 

また、メンタル的に未熟な世代ほど3番目の理由も見逃せないと考えています。

タイブレークまでもつれる試合のスコアを見ると、0対0、1対1、2対2などロースコアのゲームが目立ちます。

見ている側からすると、タイブレークは0アウト1・2塁から始まるわけで、得点されて当たり前だと思うのですが、そこまでずっと守りきってきた後攻のチームからするとタイブレークでの失点は「均衡が破れた」感が出てしまうのだと思います。

私が審判をしていた試合でも、タイブレーク表に1失点・2失点くらいで敗戦が決まるはずは無いのですが、そこまで0点や1点で抑えていたチームが失点すると、明らかに「終わった」という表情をするチーム・選手が出てきます。

そこからそれまでに見たことがないようなミスや痛打でさらに失点という流れをよく見ますね。

東京都大会のスコアを見ていても、タイブレークに入るまでロースコアだったのに、タイブレークの表に7失点みたいな試合もありました。

ここまでをまとめると、タイブレークに関しては先攻が有利であると言っても良いのではないかというのが私の結論です。

 

ちなみに高校野球でのタイブレークはどうなっているかというと、

www.nikkansports.com

タイブレークは18年の導入以降、通算14度目。サヨナラ勝ちは10度目(逆転サヨナラ勝ちは4度目)になり、後攻が10勝4敗(勝率7割1分4厘)と高勝率になっている。先攻、後攻の有利不利は諸説あって議論が尽きない。甲子園の傾向としては後攻が有利で、今大会はこの日の3勝を含め後攻の11勝7敗。夏の大会通算では後攻の1858勝1697敗8分け(勝率5割2分3厘)。ちなみに昨夏は33勝15敗(6割8分8厘)と、49代表以上の大会では92年に並ぶ最高勝率だった。

【甲子園データ】先攻、後攻どっちが有利? タイブレーク導入以降、勝率に驚きの開きが - 高校野球夏の甲子園 : 日刊スポーツ (nikkansports.com) より

実は高校野球の甲子園大会だと後攻の勝率が上回っています。

個人的な見解としては、高校野球の方が3番のメンタル的な要因が中学生よりは減るということと、ヒッティングによる得点期待値が中学軟式より高いことから、戦術に縛りが出てきやすい後攻が不利になりにくいということなのではないかと考えます。

ですが、まだやはり母数は少なく、今後も検証が必要になるかと思われます。

 

〇まとめ

で、結論として先攻と後攻のどちらを選択すべきかなのですが、野球というスポーツは1試合のみを考えた場合、先攻と後攻で圧倒的に有利な方はないと考えられます(プロ野球のように、後攻というよりはホームゲームが有利というのはあると思います)

また、タイブレークに関してはもしかすると今後の研究によっては有利不利が出てくるかもしれません。

ですが、試合が始まる前からタイブレークのことのみを考えて先攻・後攻を選択する必要はないでしょう。

したがって、自身のチームの特徴をふまえた上で、たとえば守備力に自信があるなら後攻、先発投手が緊張しやすいなら先攻、などと考えていくべきかと思います。

少なくとも、「野球は後攻有利などと決めつけずに、自チームの特徴をふまえた上で戦略的に検討をすべき」だと考えます。

 

中学軟式、高校野球ともにまだまだサンプル数が少ないので、引き続き調査していきたいと思います。

みなさんのご意見もお聞かせいただけると嬉しいです。

 

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