全国大会を観戦しても明らかに軟式野球界のバッティングの常識が変わってきている!!
甘いボールは早いカウントからどんどん打つ!!
下位打線でもしっかりと振り切る!!
叩いてミスを誘う時代は終わった!!
〇全日本少年春季軟式野球大会を観戦!
毎年の恒例となってきた3月の全日本少年春季軟式野球大会観戦。
2018年も富士球場まで観戦に行ってきました。
大会は早くもプロ注目の右腕森木投手のいる高知中が激戦を制し優勝しました。
森木投手はこの大会で自己最速、中学生最速となる146kmを計測しています。
私が観戦したのは個人的にファンである仙台育英秀光中の試合が中心だったのですが、次は高知中の試合も観戦したいと思っています。
この大会を観ていて、また昨年中学軟式の強豪校の試合を観戦して「中学軟式のバッティングが変わってきている」と感じました。
中学軟式野球といえば「叩け」「転がせ」というバッティング指導が多かったと思います。
とにかくフライを上げてはいけないという指導が多かったですし、フルスイングすると怒られるなんてことも…。
少なくとも私が指導者になり立ての頃は近隣の中学にもそういった指導をする人が多かったです。
左バッターには「スラップ」、いわゆる走り打ちをさせる人もいました。
実際、そうすることで全国大会まで勝ち進んだチームもたくさんあります。
しかし、それはもはや過去の話になったように感じます。
やはり「叩け」「転がせ」の指導ではなかなか長打は出ませんし、高校野球では通用しません。
また、複合バットの登場で今まではなかなか出なかった長打も十分に期待できるようになってきました。
これからはM号球に変わり、さらにその傾向は強まります。
これからは中学軟式野球でもどんどん長打を狙うチーム、フルスイングしてくるチームが増えると思います。
今大会でも下位打線であっても力強いスイングをし、ピッチャーにプレッシャーを与えるチームが多かったです。
全国大会ともなるとフォアボールで自滅したり、内野手がポロポロやるようなチームはほとんどありません。
ピッチャーのレベルも上がっているのでランナー3塁のエンドランも成功率が下がってきている気がします。
M号球になるとスクイズももっと打球を殺しづらくなります。
そうなるとやはりここぞというところで一本打てないと勝てなくなってきているわけですね。
やはり勝つチームは下位打線でも逆方向に長打を打つ力がありました。
かなりバッティングに力を入れてきている証拠です。
〇この流れに取り残されるな!!
もちろん、市大会レベルではバント攻めや叩きつけるバッティングを繰り返すだけで自滅してくれるチームもあるかもしれません。
しかし、それではちょっと力のあるチームには勝てませんし、そもそも中学軟式以降のカテゴリーで野球をしたときに役に立ちません。
やはり、せっかく野球というスポーツを選んでくれた選手たちには長打を打つ喜びを味わって欲しいですし、長打を打つ力をつけていかないとこれからの中学軟式野球では勝ち上がれません。
M号球に変わる今が大きな転換期なのだと思います。
ぜひこの流れに取り残されず、打撃指導に力を入れて欲しいと思います。
では、どのように力を入れたら良いのでしょうか?
ヒントになりそうな記事を挙げていきたいと思います。
1、宮川理論を取り入れる
宮川理論は長打を打てるようにまとめられた理論で、私も公認指導員の資格を持っています。
公認指導員だから勧めるわけではありませんが、宮川理論を学ぶことで長打を打てるスイングとはどういうものなのかは分かるようになると思います。
また、長打を打つためにはボールの軌道に入るレベルスイングのスイングパス(バットの軌道)を習得することが重要です。
このスイングパスを習得するのにも宮川理論はかなりおすすめできます。
しかし、なかなか独学で学ぶのは難しいと思うので、公認指導員の元で学ぶか、それも難しい場合は別の方法を考えましょう。
2、ロングティーを積極的に取り入れる!
長打力をつけるにはロングティーが非常におすすめです。
いきなりフリーバッティングだとバッティングフォームを崩してしまう恐れがありますのでロングティーで基礎的に数をこなしましょう。
ただし、間違ったフォームで繰り返してもあまり意味がないので、正しいフォームを指導することも重要です。
特にフォロースルーを大きく取ることは指導できるといいですね。
こちらの記事にも書いていますが、無理やりに大きくしようとすると腰を痛めてしまうので、腰を痛めないように注意しながら行ってください。
また、軟球で行う場合も腰に負担が大きいので球数制限をすべきだと思います。
おすすめはテニスボールで行うロングティーです。
また、タメを作る練習にもなるワンバウンドティーバッティングでロングティーをするのもおすすめです。
3、外野ノックを打つ練習をする!
これも長打力を身に着ける練習としてはおすすめです。
できれば軟球でやりたいところですが、選手はノックを打つのが上手ではないと思うので、これまたテニスボールで行うのが無難かと思います。
飛距離を競わせると大きなフォロースルーを取って打とうとするのでおすすめです。
テニスボールで行うと腰に負担はほとんど感じないのも良い点です。
〇連続素振りやマン振りはおすすめしていません!
以上、3点紹介しました。
他にもいろいろな方法があると思うのですが、当ブログでは連続ティーバッティングやマスコットバットなどを使用して全力で行う素振りはおすすめしていません。
筋トレにはなるかもしれませんが、正しいフォームの定着には向きませんし、むしろフォームを崩したり、腰を痛めたりする恐れがあります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ということで、ぜひバッティング指導に力を入れてみませんか?
やはり長打を打てた方が選手は楽しいです。
そういった指導を続けること、広めることが野球界の裾野を広げることにも繋がると思います。
※追記
この記事を書いた直後、4月1日より私は野球部顧問に就任しました。
この記事に書いたように、とにかくバッティング指導には力を入れました。
特に軌道の確認、正しいスイングパスを習得することに力を入れて指導しました。
その結果、夏季選手権大会では打線が爆発。
4試合で4本のホームラン(いずれも違う選手)が飛び出し、18年ぶりの選手権大会優勝を達成しています。
5月の試合後には「フライボール革命を意識している」という話を他の中学校の顧問の先生にお話ししたところ、「中学軟式でそれは無い」と笑われてしまいましたが、結果で正しいことを証明できたことは嬉しく思っています。
↑私のバッティング指導をまとめました。
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