カバーリングを意識しているチームは多い!
ですが、グラブカバーまで徹底できていますか?
細かいことですが、徹底できれば、一つの武器になりますよ!
〇カバーリングが勝敗を左右する!
以前からカバーリングの重要性を書かせていただいています。
↑詳しくはこれらの記事をご覧ください。
ミスが少ないプロ野球であっても、超一流の選手はカバーリングを怠りません。
【プロ野球パ】高谷がナイスカバー「クルーズ飛び出してるよ!」 2015/08/25 H-M
こちらの動画をご覧ください。
ファーストが凡ミスで送球を弾いてしまいました。
アウトがセーフになるだけではなく、キャッチャーが真剣にカバーリングをしていなければ、ランナーが2塁まで行ってしまっているケースです。
アマチュアよりもミスが少ないプロ野球ですから、0アウトランナー無しの内野ゴロでキャッチャーのカバーリングがこういった結果につながることはそれほど多くはありません。
おそらく数試合に一度あるかないか。
下手したらシーズンで数回かもしれませんね。
それでも、怠らずにできるかどうかが勝敗を分けるわけですよね。
〇カバーリングを徹底できない理由…
カバーリングが重要だということ自体は、多くの指導者の方が同感していだたけると思います。
しかし、いろいろなチームを見ていてもカバーリングを徹底できているチームは多くありません。
それには二つ大きな理由があると考えています。
一つは、カバーリングについての知識が不足していること。
これは、選手はもちろん、指導者が十分な知識がなく、指導しきれていないことが原因だと思います。
先に挙げた記事のように、カバーリングの知識のヒントになる記事も書いていますので、ぜひご覧になってみてください。
また、様々な書籍でカバーリングについてまとめられていますので、そういった書籍で学ぶことも必要だと思います。
先に紹介したように、YouTubeなどでカバーリングの動画もアップされているので、それを参考にするのも良いと思います。
カバーリングがしっかりとできないもう一つの理由は、
カバーリングについての知識があっても、徹底するチーム力がないということだと思います。
先にも述べたように、カバーリングは大変な割に、毎回必ず必要になるわけではなく、数試合に1回しか出番が無いことも多いです。
特にある程度のレベルのチームだと、ミスも少なくなり、内野ゴロのキャッチャーカバーなどが疎かになるチームもありますよね。
これは指導者がどのくらい徹底させられるか力が試されるところだと思います。
選手にカバーリングの重要さを理解させるとともに、選手たちが自分たちでカバーリングを一生懸命に取り組む姿勢を作る必要があります。
ひたすら怒鳴ってやらせても、やらされるカバーリングにしかなりません。
主体的にやるカバーリングとは必死さが異なります。
結果ももちろん異なります。
これはこちらの荒木選手の動画を見れば分かります。
やらされるカバーリングでこんなプレーはできません。
ここまでやりきるチーム、選手を育てていかなくてはいけないのです。
そのためには、何事も徹底できるチームを作らなくてはいけません。
こちらの記事で詳しく述べていますが、「徹底することは武器」になります。
カバーリングだけを徹底しようと思っても、それはなかなかに難しいことです。
前橋育英高校野球部監督の荒井先生の座右の銘は「凡事徹底」。
何事も徹底することが重要になってくるのです。
指導者もすぐに怒鳴ったり、諦めたりするのではなく、同じ注意・同じ指導を何度でも同じトーンですることが大切だと荒井先生はおっしゃっています。
それだけの根気強さが無ければ、カバーリングなどの地味な仕事を一生懸命に徹底することはできないでしょうね。
『当たり前』の積み重ねが、本物になる ~凡事徹底――前橋育英が甲子園を制した理由~
- 作者: 荒井直樹
- 出版社/メーカー: カンゼン
- 発売日: 2014/03/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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↑荒井先生の著作。おすすめです。
〇グラブカバーまでできるようにしよう!!
正直、普通のカバーリングができていないチームに、今からお話しすることはできないと思いますが、今回おすすめするのは「グラブカバー」と私が呼んでいるカバーリングです。
中学野球、高校野球などいろいろなカテゴリーの試合を見に行くことが多いですが、このグラブカバーが徹底されているチームはそこまで多くはありません。
フライを落球した場合、ボールが転がる方向はある程度予測できます。
ロペス 8回裏 ショートフライもショート落球で2塁進塁 2013 05 26 巨人×オリックス
こちらのショートフライは、ショートがホームベース方向に向いて捕球を試みているので、落球したボールは正面、ホームベース方向に転がる可能性が高くなります。
実際には若干落下地点の目測を誤っているため、セカンドベース方向に転がっていますが、この打球は本来、サードがショートとホームベースをつなぐライン上で、ショートから2~3m前のところまでカバーに行くべきです。
このフライを落球した場合に転がる地点を予測してカバーリングを行うことを、「グラブカバー」と勝手に呼んでいます。
正直、上の動画のケースだとカバーリングがいたとしても2塁まで行かれてしまった可能性が高いのですが、0アウトや1アウト1塁のケースでは、このグラブカバーをしっかりとやっているかいないかで大きく戦況が変わってきます。
グラブカバーをしっかりとやっていれば、ランナー1塁のケースで内野フライを落球したとしても、2塁で封殺できます。
外野が浅く守る軟式野球では、外野フライを前に弾いた場合でも2塁封殺できることがあります。
弾いたボールが大きく転がりやすい軟式野球では非常に重要なカバーリングになりますし、硬式野球でも少しでも進塁を防ぐための細かいプレーとして、ぜひ覚えておきたいプレーです。
ちなみに、当然ですが捕球姿勢によってグラブカバーに入る位置は変わってきます。
阪神タイガース 2016 5 17 鳥谷 簡単なフライをまさかの落球
たとえば、こちらの動画の落球の場合、ショートフライをショートがレフト線方向に走りながらの勢で捕球を試みているので、レフト線方向に転がる可能性が高くなります。
レフトがフライを追うのは仕方がないので、この場合は大きく弾くことを想定してサードがもっともっとファールグラウンドの方へ走っていく必要があります。
土のグラウンドだと、こういったフライを弾いた際に転々と転がって行ってしまうので、グラブカバーは非常に重要です。
動画はありませんが、他にはピッチャー前のフライをキャッチャーがしっかりとグラブカバーに入れているかはよくチェックしてください。
1塁線や3塁線の小フライをピッチャーが弾き、ファールグラウンドを転々とし、2塁まで行かれてしまうケースをよく見ますが、キャッチャーが転がる方向を予測して全力でカバーリングをすれば、2塁までは行かれないことが多いです。
地味なプレーになりますが非常に重要なグラブカバー、ぜひチームで取り組んでみてください。
ちなみに、グラブカバーの練習はテニスボールフライノックで行うことがおすすめです。
ノッカーがフライを狙った位置に上げられる利点の他、落球した場合によく転がるので、選手がイメージをもちやすいです。
以上、グラブカバーのすすめでした。
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